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実は学生の頃、「オリエント急行」を読もうと思って間違って買ったのが「青列車の秘密」だった。

大富豪の娘に次から次へと欲しいものを与える親。ルーファス・ヴァン・アルディン。怪しい取引で身の危険もかえりみずに、娘のプレゼントのルビーを手に入れる。ロシアの女帝エカチェリーナのルビーだ。


学生だった当時は、インターネットなんて使ってなかったからね。本当にエカチェリーナ2世のルビーがあったのか簡単に調べることができなかったね。

「青列車の秘密」では、「火の心」(炎のハート)と名付けられているルビー。



エカチェリーナ2世の肖像画 部分


ありましたね。398.72カラット(79.744g)のルビーはエカチェリーナ2世の王冠にあった。1676年まで、250年以上にわたって中国の皇帝の王冠を飾っていたらしいが、ロシアの外交官ニコライ・ミレスク(1636―1708)が買い取って、ロマノフクラウンジュエルとなった。



エカチェリーナ2世の王冠


この「火の心」をめぐって、娘婿、二人の侯爵の男たちが殺人の容疑者になり、このうち二人の男が一人の女性を巡って「青列車の秘密」は進んでいく。

BBCのドラマでは、宝石と言ったら登場するパポポラス親子は登場していない。そして何よりデレクとキャサリン(ミス・グレイ)の接点がなく、二人のロマンスが消えてしまっている。それはそうとして、このキャサリン。



遺産相続人ミス・グレイ(キャサリン・グレイ)


アガサ・クリスティーは男心がわかってるなーと思うね。配役も良かったのかもしれない。原作では、没落した良家の子女ミス・グレイは、裕福なマダムの身の回りや話し相手をするコンパニオンを勤め、マダムが亡くなり驚くほどの遺産を相続することになった。

ドラマのはじめに登場する金髪の夫人とその子は、ミス・グレイの従妹と姪になる。彼女たちはミス・グレイを招待するつもりだ。ミス・マープルの住むセント・メアリ・ミードからロンドンにきたキャサリン・グレイ。


ホテルで大富豪のルーファス・ヴァン・アルディン親子から、娘ルス(ケッタリング夫人)の誕生日パーティーに招待を受けるポアロ。原作では青列車でミス・グレイと出会い、ルスとは面識はない。この誕生日パーティーが行われたホテルのレストランで、ポアロはティスティングがわからないミス・グレイをエスコートする。

ルース(ルス)の素行の悪い夫デレク(デレック)は、ルースを乱暴に扱い、賭博に熱中。貴族の称号がありながら浪費がかさんでいる様子。



レストランにいた黒い肌の美女に渡された青列車の切符


ドラマではレストランに入ってきたデレク。階段で足を引きずるナイトン少佐。ミス・グレイは、青列車に乗る前に3人の重要人物と出会っている。

青列車でミス・グレイは、ポアロ、ミス・グレイの従姉とその夫、姪と歓談する。原作では青列車で出会うのは、ポアロとケッタリング夫人だけだった。


従姉たちが別なテーブルに着くと、ルスがミス・グレイのテーブルに腰を下ろし、話し始める。右億の赤いドレスが見えるだろうか。レストランで青切符を渡された女性(原作には登場しない)。この女性はミレーユ。青列車に乗り込んだデレクに煙草の火をつけてもらう。原作ではデレクの愛人の名だが、ここではルーファスの愛人。

通路を歩くボーイが、「ミセス・ケッタリング」と声をかけると、ミス・グレイは彼女を凝視した。原作にはうかがえない感情と表情。ルスは愛人ラ・ロッシュ伯爵と青列車内で逢引の予定。



ルスのコンパートメントに乗り込んだ夫デレク


展開があまりにも原作と違うから、もしかするとルスは殺されないんだろうかと心配した。だが、大丈夫だ。

女中のアダ・メイスンが原作どおりに途中下車。デレクはルスの愛人ラ・ロッシュ伯爵とカード賭博。午前7時ニースに到着。ルースとキャサリンは部屋を交換していたが、なぜか間違いなくルスが殺された。うーん、・・・残念なドラマだった。




犯人は原作といっしょ。ドラマには犯人にもならないラ・ロッシュ伯爵、ミレーユは登場しなくとも良かったのでは?パポポラス親子を登場させなかったことで、現代的なドラマに展開したのだろうけど、全然物足りない。見ていて殺人事件も省くのではと思うくらい、ぬるかったなー。

| BOOK | 20:27 | trackbacks(2)

Pride and Prejudice (Fine Edition) Illustrator  Kazuko Nomoto

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 
イラスト Kazuko Nomoto (野元 和子)


英国ロイヤルメールからジェーン・オースティンの「高慢と偏見」出版200周年として、長編6作品のイラストの切手が発売された。ほかにもスタンプカードや書籍とのセットなどもあった。ちょうど発売時期に居合わせたので、お土産に買ってきた。

Illustrator Angela Barrett Jane Austen Stamps

一列を上下にしてみた。


この「プレゼンテーションパック」の切手はsaiの記事で各作品名とあわせているので参考に。

記事 英国ロイヤルメール ジェーン・オースティンの記念切手
記事 アンジェラ・バレットのイラスト ジェーン・オースティンの記念切手


「ノーサンガー僧院」はこちら。
記事 ノーサンガー僧院 ヴェラ・ナザリアンのコラボ本とアンナ&エレナ・バルブッソの挿絵本

ジェーン・オースティンは、どちらかといえば女性や若い人たちに人気があると思っていた。作者とその著作、その冒頭、あらすじは知っているけど最後まで読んだことがない。BBCのドラマ、映画もあるね。

あらすじ 高慢と偏見 - Wikipedia



  ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」 Penguin Classics 2009
デザイン・イラスト コラーリー・ビックフォード-スミス


英国ロイヤルメールで、ペンギン・クラシックシリーズの「高慢と偏見」が記念切手シリーズといっしょに販売されていた。

このデザインは、1894年、1895年のピーコック版をイメージさせたんだろうか。

Illustration by Hugh Thomson

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 1895 Macmillan's edition
イラスト ヒュー・トムソン  出版 ジョージ ・ アレン (ロンドン)



ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 1894 peacock edition
イラスト ヒュー・トムソン 出版 ジョージ ・ アレン (ロンドン)


PRIDE & PREJUDICE ~ JANE AUSTEN ~ UNABRIDGED REPLICATION OF ED GEORGE ALLEN 1894

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 (ジョージ ・ アレン ,ロンドン 1894版)
イラスト ヒュー・トムソン 


Susannah Fullerton

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 2013


スザンナ ・ フラートン編のジェーン・オースティン 「高慢と偏見」は、イラストレーターのコニー・ガバート。

彼女のカバー・デザインでは「祝 高慢と偏見」も手がけている。

Classics Graphic Deluxe edition, Penguin, United States, 2009. Jacket illustration by Ruben Toledo

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 
イラスト ルーベン・トレド


このルーベン・トレドのイラストはファッション誌でも評判になったもの。冒頭で紹介した野元 和子のイラストはルーベン・トレドの下半身だけを描いた感じにも思える。

日本でもルーベン・トレドのファンは多いんじゃないか?



ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 
イラスト Kazuko Nomoto (野元 和子)


Pride and Prejudice (Louis de Bernieres) 2007

ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」
ルイ・ド・ベルニエール編



ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」


「金持ちで独身の男が妻を必要としているということは、普遍的に認められた真理である。」

It is a truth universally acknowledged, that a single man in possession of a good fortune, must be in want of a wife.

「高慢と偏見」の有名な冒頭は、夏目漱石も絶賛していたそうだが、現代では金持ちで独身の男が妻を必要としているかは見当がつかなくなってきた。結婚観が変わってきたからだ。

Pride and Prejudice and Zombies: Deluxe Heirloom Edition

左 ジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミス「高慢と偏見とゾンビ」2009
(ドゥギー・ホーナーのイラスト、ウィリアム・ビーチー「マーシャ・フォックスの肖像画」)
右 ジェーン・オースティン 「高慢と偏見」 2007


この「高慢と偏見」の冒頭。このタイトル以外で中野好夫訳「自負と偏見」での冒頭は、「独りもので、金があるといえば、あとはきっと細君をほしがっているにちがいない、というのが、世間一般のいわば公認真理といってもよい。」と翻訳されていた。

岩波の富田彬の冒頭の翻訳は「相当の財産をもっている独身の男なら、きっと奥さんをほしがっているにちがいないということは、世界のどこへ行っても通る真理である。」

安原和見が翻訳したのはジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミス「高慢と偏見とゾンビ」で、パロディだけれど、「これは広く認められた真理であるが、人の脳を食したゾンビは、さらに多くの脳を求めずにはいられないものである。」

そうなると「これは広く認められた真理であるが、財産に恵まれた独身男性は、理想の結婚相手を求めずにはいられないものである。」というような置き換えが成立するわけだ。

馬鹿げているかもしれないけど、ジョージ王朝時代の哲学者ジョンロック(John Locke, 1632 - 1704)の社会契約論が成立している。


ジョンロック(John Locke)の思想の縮図 ジェーン・オースティンの小説


イギリス経験論の父と呼ばれたジョン・ロック(John Locke)。

ジョン・ロックは王権神授説からジョン・ロックの君主の支配権は国民との契約によって認められたものであるとする社会契約説を小説のなかで描いている。

なかでもそれぞれの「自然権(生命・自由・財産)」を守るために、国家は「自然権」を遵守する。見方を変えれば忠誠と誠実だ。

小説では家族が自然権の優位性を促し、社会的、経済的変化の必要性についての結婚を仲介している。

小説のヒロインの結婚相手は、「高慢と偏見」では中流階級の親族を持つベネット家が名家で伯爵家と姻戚関係がある大地主階級(ジェントリ)のダーシー、同じく大地主階級(ジェントリ)のビングリー家に媒介する。

「分別と多感」では、相続し損ねたダッシュウッド家の長女は大地主階級(ジェントリ)出身の牧師となるエドワード・フェラーズと、妹も大地主階級(ジェントリ)の大佐と結婚。

「マンスフィールド・パーク」では、バートラム准男爵家の長男と引き取られた姪との結婚。

「説得」はやや複雑だが、落ちぶれた准男爵家の令嬢と出生した海軍大佐の結婚。

またジョン・ロックは、観念は経験を通して得られ、知識は経験によって得られると主張し、人間は運命の犠牲者ではないと言ってる。

ジェーン・オースティンのヒロインたちは、彼女たちの経験で、オースティンによって正しく成長する。ヒロインの最終的な成長は、まさにジョン・ロックの「経験論」ではないか。

追記 キリスト教の言及がないといわれるジェーン・オースティンの裏には聖書のたとえが隠されているじゃんというsaiの記事も関心がわく。

記事 分別と多感 ダッシュウッド姉妹とサドのJJ姉妹




| BOOK | 20:39 | trackbacks(0)
前記事でマリア・ジビーラ・メーリアンの「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」の1730年版のイラストプレートを紹介した。

今回は生物画家のレーゼル・フォン・ローゼンホフが編纂した自然誌を紹介。

Historia Natvralis Ranarvm Nostrativm by August Johann Rosel von Rosenhof

カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758 口絵
レーゼル・フォン・ローゼンホフ




カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758 
レーゼル・フォン・ローゼンホフ


「カエルの自然誌」(アームチェア・アクアリウム)は、レーゼル・フォン・ローゼンホフによって編纂された。

Historia Natvralis Ranarvm Nostrativm by  August Johann Rosel von Rosenhof

カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758
レーゼル・フォン・ローゼンホフ



もともと画家だったレーゼル・フォン・ローゼンホフ(1705-1759)は、マリア・ジビーラ・メーリアン(1647-1717)の「スリナム産昆虫変態図譜」に影響を受け、ナチュラリストになった。



カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758
レーゼル・フォン・ローゼンホフ


Historia Natvralis Ranarvm Nostrativm by  August Johann Rosel von Rosenhof

カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758
レーゼル・フォン・ローゼンホフ




カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758
レーゼル・フォン・ローゼンホフ




カエルの自然誌(アームチェア・アクアリウム) 1758
レーゼル・フォン・ローゼンホフ



マリア・ジビーラ・メーリアン(1647-1717)の初版「スリナム産昆虫変態図譜」


Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン 「スリナム産昆虫変態図譜」(1705年版)


Metamorphosis insectorum Surinamensium 1705

マリア・ジビーラ・メーリアン 「スリナム産昆虫変態図譜」(1705年版)


「スリナム産昆虫変態図譜」には「水棲植物と昆虫」がマリア・ジビーラ・メーリアンによって描かれているが、レーゼル・フォン・ローゼンホフがカエルに関心を持ったのはこのイラストからなんだろうか。

スリナム産昆虫変態図譜」は、saiが記事をアップしている。


レーゼル・フォン・ローゼンホフ 「昆虫の楽しみ」第一巻 1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年 扉絵


「カエルの自然誌」以前に「昆虫の楽しみ」(第一巻)が出版されたのが1746年。マリア・ジビーラ・メーリアンがボタニカルアート的に描くのと違って、図鑑でみるような画き方だ。

Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年 口絵


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年


Insecten-Belustigung (Band 1) by August Johann Rosel von Rosenhof

レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年




レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年




レーゼル・フォン・ローゼンホフ
「昆虫の楽しみ」1746年




| BOOK | 16:53 | trackbacks(2)

Der Raupen wunderbarer Verwandlung und sonderbare Blumennahrung von Maria Sibylla Merian


マリア・ジビーラ・メーリアンっていう人の博物誌はなんとなく聞いていたが、実際に見てへーっという感じでした。

どちらかというとキレイな手彩色の版画で、美しい花に毛虫や青虫や蛾なんかを画いているわけで、毒々しさはあんまり。

今回の「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」は1730年版を紹介。1750年版の花とかは次の記事から。

記事 マリア・ジビーラ・メーリアン 博物誌(6枚くらい使用)
記事 マリア・ジビーラ・メーリアン  ボタニカル・アート (ほとんどが「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」1730、1750年版)



マリア・ジビーラ・メーリアン
「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」 1730年版





Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.



Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.



Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.



Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.



Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.



Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung.






「ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草」で使われているイラストプレートは180枚以上。

Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung 1679

マリア・ジビーラ・メーリアン ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草 1679


Maria Sibylla Merian. Der Raupen Wunderbare Verwandelung und Sonderbare Blumen-Nahrung 1683

マリア・ジビーラ・メーリアン ヨーロッパ産鱗翅類‐その変態と食草 1683



| BOOK | 21:02 | trackbacks(0)

英米文学者で東京大学教授で翻訳家で小説家の柴田元幸氏。



風強く 客もなきはず 冬の夜 ベルは鳴れども 人影皆無 


この人の翻訳で、エドワード・ゴーリーの「うろんな客」が印象的だった。あまりにもセンスがよくって柴田元幸氏の「うろんな客」にエドワード・ゴーリーが挿絵にしたってほど、エドワード・ゴーリーを喰ってしまったと思う。

The Doubtful Guest by Edward Gorey

夜明くれば 朝餉の席に加わりて パンに皿まで 牛飲馬食


本当に普通に訳せば「翌朝、朝食の席に加わってシロップとトーストを平らげ、おまけに皿まで食べていた。」という感じ。

カフカの「変身」のザムザと違い、「胡乱」でありながら自由であり、居場所がある。

20世紀文学のフランツ・カフカの「変身」(Die Verwandlung)は、グレゴール・ザムザが朝、目が覚めると一匹の巨大な虫に変身していた。家族はパニックになり、自室へ軟禁し、食事と掃除だけの世話を続けるだけで、最後息絶えた彼に家族としての慈しみも悲しみもない。

自分が人間だった頃。ザムザ氏の家族への愛情。

自分が人間だった頃、といえば少年ジャンプの「暗殺教室」の殺先生はどうか。タコとして描かれている「うろんな教師」だが。同じく「トリコ」に登場するGTロボ、「ニトロ」によく似ている。



新しき 蓄音機から喇叭取り なだめすかせど 馬耳東風




ともすれば 訳のわからぬ むかっ腹 風呂のタオルを 一切隠蔽


韻文の原文に短歌で翻訳。「うろん」は「奇妙な」の類義語で、この風変わりな物語にマッチしている。

Hoipolloi Gorey’s The Doubtful Guest

エドワード朝の一家とうろんな客の肖像画


何年かまえに、劇団ホイ・ポロイ(Hoipolloi)による「うろんな客」(The Doubtful Guest)をみた。

When they answered the bell on that wild winter night, There was no one expected -- and no one in sight

Then they saw something standing on top of an urn, Whose peculiar appearance gave them quite a turn.

All at once it leapt down and ran into the hall, Where it chose to remain with its nose to the wall.

It was seemingly deaf to whatever they said, So at last they stopped screaming, and went off to bed.

It joined them at breakfast and presently ate All the syrup and toast and a part of a plate.

It wrenched off the horn from the new gramophone, And could not be persuaded to leave it alone.

It betrayed a great liking for peering up flues, And for peeling the soles of its white canvas shoes.

At times it would tear out whole chapters from books, Or put roomfuls of pictures askew on their hooks.

Every sunday it brooded and lay on the floor, Inconveniently close to the drawing-room door.

Now and then it would vanish for hours from the scene, But alas, be discovered inside a tureen.

It was subject to fits of bewildering wrath, During which it would hide all the towels from the bath.

In the night through the house it would aimlessly creep, In spite of the fact of its being asleep.

It would carry off objects of which it grew fond, And protect them by dropping them into the pond.

It came seventeen years ago -- and to this day It has shown no intention of going away.

これだけの短い物語を時間をかけて演じてた。ある意味ではすごい。

胡乱(うろん)はご存知のように「正体の怪しく疑わしいこと」、「確かではないこと。真実かどうか疑わしいこと」だけど、この「胡乱な客」に、最後まで名はなかった。今では17年にもなるエドワード朝の一家との暮らしの中で。

名もない「うろんな客」は、居場所だけはあるようだ。

The Doubtful Guest, by Edward Gorey and 漫画家島袋光年「トリコ」

エドワード・ゴーリーの「うろんな客」
VS
少年ジャンプ 島袋光年 「トリコ」 ニトロ


やっぱり似てる。どちらもうろんな客だしね。

エドワード ゴーリー
コメント:柴田元幸氏の「うろんな客」にエドワード・ゴーリーが挿絵にしたってほど、エドワード・ゴーリーを喰ってしまったセンスの良い翻訳。

Edward Gorey
コメント:今日(2013.2.22)のGoogleロゴはエドワード ゴーリー生誕88周年。ナンセンスで不条理なストーリーと挿絵は大人の絵本かも。

| BOOK | 23:45 | trackbacks(0)

Perhaps he loves you now ・・・ Mary Heebner illustrates Shakepeare’s classic, Hamlet

マリー・ヒーブナーのイラスト集「ハムレット」
「多分、今はお前を愛しているかもしれない」


前記事で、アンドレ・マッソンの「オフィーリア」をアップしたときに、あんまり僕はシェイクスピアは興味ないんだよねって書いたが、本当にそう。

今回は、限定版?のマリー・ヒーブナーのイラスト集「ハムレット」を、saiが譲ってもらったらしく、僕にもわざわざ見せにきた。それで、僕にはまだピンときていないので、saiがアップした作品につながるように、そのフォリオのひとつ手前の作品を紹介。

第一幕第三場
兄のレアティーズがオフィーリアにハムレットとの関係をほどほどにしなさいと言っているところだ。

Perhaps he loves you now,
And now no soil nor cautel doth besmirch 
The virtue of his will: but you must fear,
His greatness weigh'd, his will is not his own;
For he himself is subject to his birth:
He may not, as unvalued persons do,
Carve for himself; for on his choice depends
The safety and health of this whole state;
And therefore must his choice be circumscribed
Unto the voice and yielding of that body
Whereof he is the head. Then if he says he loves you,

多分、今はお前を愛しているかもしれない。そしてそのお気持ちには一点の穢れもなく、不実な思いもないだろう。しかしお前は恐れなければならない。ご身分を考えてごらん。ご自身はご自分だけのものではないのだ。 生まれに縛られていて下々にように、自由にはできないのだ。なぜならこの国全体の安全と繁栄がかかっているからだ。それゆえあの方の選択には自ずから制限があって国中の承認と同意が必要だ。それは主君だからこそだ。もしあの方がお前を愛していると言われても、ほどほどに理解するのが賢明だ。

| BOOK | 19:52 | trackbacks(3)

saiが楓の記事(シャンソンとポップス)を読んで、僕がsaiの記事(ミッシェル・ポルナレフ)を読んで・・・、思い出したのは「いちご白書」(The Strawberry Statement)なわけで。

Strawberry Statement

いちご白書 The Strawberry Statement オープニングの場面

 

YOU TUBE
いちご白書 オープニング Buffy Sainte-Marie - Circle Game - Strawberry Statement

BUFFY SAINTE-MARIE - The circle game

映画
いちご白書の解説とあらすじ


saiの記事に僕の姉のことが書かれていて。魔女のような姉なんですが。7つくらい違う?

とにかく僕が小学生の6年間に、姉は中学生だったり、高校生だったり、大学生だったりで。。。彼女は1950年代生まれなんで、1970年代の日本の学生運動には近い時代の人だった。

1969年度の東大入試中止。いとこのお兄さんは翌年に受験している。が一浪した。倍率が高かった?でも69年に入学した学生がいるという噂が当時あった。それって単に編入したんじゃないか?といまは思ってるけど。

Scene from Strawberry Statement

いちご白書 The Strawberry Statement 実はこんな場面も


いまテロといえば国外の話で、70年代の日本には日本赤軍が無差別テロ事件を起こしていた。があまりにも小学生の頃のことなので、平和ボケしてる。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件の時に、「日本はテロ事件がない国」だと記憶している始末だった。

その日本赤軍は学生運動の卒業生から生まれた。

明治大学、京都大学、慶応、日大、同志社、立命館出身のほか、高校生から活動していたメンバーもいる。

映画監督の若松孝二の作品に「赤軍-PFLP・世界戦争宣言」(1971年)、「録・連合赤軍 あさま山荘への道程」(2008年)がある。僕は観ていない。

三島由紀夫 早稲田大学

三島由紀夫と学生たち(早稲田)


作家の三島由紀夫が憲法改正で市ヶ谷駐屯地で切腹した。親たちはこのニュースを僕らに知られたくなかったようだった。ずっとあとで介錯されたことを知った。切断された首の写真。本当におかしな話だ。どうしてそこまでの「流儀」が必要だったんだろうか。

憲法改正というのは、三島が学生運動の鎮圧に警察ではなく本来なら自衛隊であるべきで、憲法9条からみるとその自衛隊は違憲だという。つまりは軍隊であればということだ。

平和を我らに(Give Peace a Chance ※衝撃的なシーンもあるので)のフィルムをみると、残虐された人々の死や、死体が土を掘った中にごみのように捨てられる命と比べるとなんだか三島由紀夫の死は自分だけの美学に酔いしれたナルシストの殉教者に思われる。

11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち」(若松孝二監督)で、三島由紀夫は何を表現したかったのかを問う作品となっているが、僕は観ていない。

若松監督はこの10月17日に亡くなった。

Scene from Strawberry Statement

いちご白書 The Strawberry Statement 講堂の集結の場面


YOU TUBE Eper és Vér 1970 いちご白書 集会と機動隊の場面

「いちご白書」が公開されたのはちょうどその1970年だった。コロンビア大学の1966-68年までの学生の抗議行動の物語。

コロンビア大学の学部長ハーバート・ディーンは「彼らが理にかなった説明がないものなら、苺が好きな学生が多数派かどうか以上の意味を持たないのと同じだ。」、「学生の意見は苺の味が好きだという感想と同じで意味を持たない。」などとどちらでもいいが、このイチゴからの引用によるもので「いちご白書」だと知ったのも、ずっとあとだ。

とにかくリアルタイムで映画「いちご白書」を観なかった世代。だが、音楽だけは知っていた。 サークル・ゲームが好きだった。

YOU  TUBE
BUFFY SAINTE-MARIE - The circle game 

邦題
1. サークル・ゲーム(バフィー・セントメリー)
2. マーケット・バスケット
3. ダウン・バイ・ザ・リヴァー(ニール・ヤング)
4. ロング・タイム・ゴーン(クロスビー・スティルス&ナッシュ)
5. サイクレイトロン
6. 革命ロック(サンダークラップ・ニューマン)
7. ツァラトストラはかく語りき
8. ローナー(ニール・ヤング)
9. コイト・タワー
10. フィッシン・ブルース(レッド・マウンテン・ジャグ・バンド)
11. 協奏曲ニ短調
12. ヘルプレス(クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング)
13. ポケット・バンド
14. 平和を我等に

Des fraises et du sang

フランス版 「いちご白書」


姉が持っていた。

Strawberry Statement Original Soundtrack 1970
1. Circle Game - Buffy Sainte-Marie
2. Our House - Crosby, Stills, Nash & Young
3. Market Basket - Ian Freebairn-Smith, MGM Studio Orchestra
4. Down by the River - Neil Young
5. Long Time Gone - Crosby, Stills & Nash
6. Cyclatron - Ian Freebairn-Smith, MGM Studio Orchestra
7. Something in the Air - Thunderclap Newman
8. Also Sprach Zarathustra - Berlin Philharmonic Orchestra, Karl Bohm
 ▲Also Sprach Zarathustra (Richard Strauss) Berlin Philharmonic Orchestra, by Herbert von Karajan
 ▲
Richard Strauss - Also sprach Zarathustra, Op. 30
9. The Loner - Neil Young
10. Coit Tower - Ian Freebairn-Smith, MGM Studio Orchestra
11. Fishin' Blues - Red Mountain Jug Band
12. Concerto in D Minor - Ian Freebairn-Smith, MGM Studio Orchestra
13. Helpless - Neil Young, Crosby, Stills, Nash & Young
 ▲Helpless - Neil Young da "Fragole e Sangue" (The Strawberry Statement)
14. Pocket Band - Ian Freebairn-Smith, MGM Studio Orchestra
15. Give Peace a Chance - A film szereplői
 ▲Give Peace a Chance - John Lennon
 ▲Give Peace a Chance (衝撃的なシーンもあるので)

映画音楽担当のイアン・フリーベアーン=スミス(Ian Freebairn-Smith)以外は、You Tubeから動画で聴くことができる。サントラ盤はすでに廃盤になっている。持っていてもステレオないと聴けないし。

THE STRAWBERRY STATEMENT- Marcello - Adagio - arr. pour guitare et cordes,1970

いちご白書をもういちど the strawberry statement. バンバン/荒井由実:編著

「いちご白書をもういちど」バンバン/荒井由実:編著 オリオン出版
右はリンダ役のキム・ダービー 左がサイモン役のブルース・デイヴィソン


この「いちご白書をもういちど」の書籍は配役の二人が表紙になっているのが2冊発売されていたらしい。

要は、僕の姉世代(1950年代うまれ)に、映画「いちご白書」ファンが多い。僕らの世代はどちらかというと「いちご白書」のサントラで育ったようなもんで。

松任谷由実(当時荒井由実)は、姉と同じくらいの人で、姉はユーミンにも夢中になっていた。

YOU TUBE
いちご白書をもう一度/松任谷由実

「いちご白書」は19歳だったコロンビア大学のジェームズ・シモン・クーネン(James Simon Kunen)のドキュメンタリーの小説「いちご白書:大学革命のノート」。

映画「いちご白書」の中で議長役の学生(ジェームズ・クーネン)ってあったけど、本人出演だった。

James Simon Kunen

ジェームズ・シモン・クネン(James Simon Kunen)


いちご白書の1968年。3月、米コロンビア大で大学本部を占拠したSDS(民主的社会を求める学生)の委員長マーク・ラッドら6人が停学処分。キング牧師暗殺されたその4月と翌5月に、二度にわたってハミルトン・ホールを黒人、白人の学生らが占拠。このときにジェームズ・シモン・クネンも含まれている。

マーク・ラッドはのちにウエザーマン(極左テロ組織)を結成。

もともと貧しい子供たち(黒人居住区)の遊び場になっている土地を学校側が軍の訓練校の建設予定地にすることになったのが物語のストライキの発端だけれど、この運動がどんどん拡大していった。

卒業後のジェームズ・シモン・クネンは、ジャーナリスト、公選弁護士という職業を経験し、失業もした。

今年、「Diary of a Company Man: Losing a Job, Finding a Life」を出版。直訳は会社人間の日記だけれど失われた職、発見した生活というサブタイトル。

僕の叔父、叔母と同じ世代。

grassriverbooks.comまだ、「いちご白書」熱が続いているというなら、ノスタルジックなこの世代か、あるいは世界を変えることができると信じる若い世代だろう。

新人類と呼ばれた僕の世代にも共感している人jは多いんだろうか。僕は三島由紀夫もいちご白書も「?」である。

ただ、音楽には共感できた。

この映画「いちご白書」の中で、闘争する学生たちの食糧係となったリンダとサイモンがマーケットから食糧を持ち出すシーンがある。

このマーケットでの出来事はジェームズ・シモン・クーネン自身のプロフィールなんだろうな。

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Frgole e sangue (The Strawberry Statement) la spesa



本日の追記 なんとなく思いだしたのが・・・、

角川から出版されていた「いちご白書」は、青木日出夫さんの翻訳。僕が本文中に、「いちご白書:大学革命のノート」と原書のタイトルで紹介しているが、青木さんははじめ、「いちご白書:ある大学革命家のノート」とタイトルにして出版した。

「大学革命のノート」とある「大学革命家のノート」では大変な違いがある。このコロンビア大学の闘争は、世界にひろまった歴史に残るものだ。このあとのフランスのソルボンヌ大学、フランスの5月革命に続くからだ。

大学革命家ではない。大学革命じゃん。



ジェイムズ・サイモン・クーネン(青木日出夫)
「世の中を変えようとした紙切れ」収録


それで、新潮社から出版されている「エスクァイア」で読むアメリカ(上)・(下)で、青木日出夫さんは、60年代-革命の10年の中で、ジェイムズ・サイモン・クーネン(James Simon Kunen)の「世の中を変えようとした紙切れ」(The Mimeograph Revolution)なるものを翻訳している。

これは「いちご白書」だと思われる。読み返してみよう。全然覚えてないから。

ジェイムズ・サイモン・クーネンは、The Mimeograph Revolutionという手記は書いていないようだから、「いちご白書:大学革命のノート」を「世の中を変えようとした紙切れ」として紹介したのだと思う。



TIFF 2008 (トロント国際映画祭 2008)に、ラインナップされたのはポール・クローニン(Paul Cronin)による「A Time to Stir」 だ。

これは、1968年のコロンビア大学の学生運動当時の学生、教授と警察へのインタビュー。映画「いちご白書」のようなロマンチックな脚本ではなくドキュメンタリー。この2008年はコロンビア大学のストライキから40周年で、パリでも上映された。

アメリカで、今年の4月に公開されたようだ。

こうしたコロンビア大学の記録フィルムは他にも多く存在し、インターネット・アーカイブからも見ることができる。

Columbia Revolt (Part I) (1969)Columbia Revolt (Part ) (1969)

Police forced Columbia University students out of Hamilton Hall on May 22, 1968, ending the students’ occupation in the building. (Photo: Larry C. Morris/The New York Times)

Hamilton Hall on May 22, 1968
 Photo: Larry C. Morris/The New York Times


ニューヨークタイムズでは、2008年が40周年をむかえたコロンビア大学の紛争を当時の写真で紹介していた。フェアウェザーホールからは日本の音楽が流れていたという。

ニューヨークタイムズの記者によると、ライフ誌の写真家、スティーブ ・ シャピロ(Steve Shapiro)が警官に殴られ、プレスの識別を示したが、カメラを1台壊されたらしい。当事者も取材するものも、一緒だ。

少し関心を持てたので、随時更新を予定しているということで。
| BOOK | 17:54 | trackbacks(2)
ブライアン・ワイルドスミス(Brian Wildsmith)の絵本は、たいていの家には1冊はあるんじゃないか?

子供たちが小さかったときに、sai 家と競って絵本を買い揃えたが、ワイルドスミスの絵本がいまでもいくつかそのまま残っている。

Nursery Rhymes: Mother Goose

「ナーサリー・ライム(マザー・グース)」


その中で、特に子供のために買ったわけではないが、靴の絵本がある。どこか心の中で、自分も楽しみたいというのがあったのかも。

Whose Shoes?


KAFKAがナイキ(Nike)に使われている生地の記事をアップしていたが、ブライアン・ワイルドスミスのイラストもそのひとつ。リバティプリントらしい。

ローレン・チャイルドのクラリス・ビ〜ン リバティがいちばん!?
デビッド・マッキー ミスター・ベンの赤い鎧とリバティプリント
リバティ プリント  ジェーン・レイの童話 Jane Ray at Liberty

Toms Jets High Skinny Premium Dunks

Tom's Jets High Skinny Premium Dunks, Nike Liberty 2011 Collection


この図柄が「The Amazing World of Words (言葉の素晴らしき世界)」の一枚からプリントされたらしい。



「The Amazing World of Words (言葉の素晴らしき世界)」からイラスト


この恐竜たちがいる建物と同じようなところに描かれている作品がある。乗り物だ。屋根には同じようにヘリコプター。

Brian Wildsmith. Amazing World of Words

「The Amazing World of Words (言葉の素晴らしき世界)」


この作品「The Amazing World of Words (言葉の素晴らしき世界)」にある乗り物が、リバティプリントの柄を書き込んで、ファブリックストーリーのイラストとして仕上げるという。

nike

リバティ社 2011年春夏コレクションから


ブライアン・ワイルドスミスの魅力は、わざわざ子供が喜ぶような作品つくりをしていないところだろうか?

海、その生き物、陸、その生き物、空、その生き物のほかに、植物や昆虫、動物、人、童話、おとぎ話、神話、宗教と範囲は広い。

abc


僕が物心がついたときには、すでに出版されていた「ABC」から、「A」のアルマジロのページ。なんか「豚」みたいだなって思っていた。

Animal Homes    Brian Wildsmith

もう廃版?「Animal Homes」 から 山猫のイラスト

Fishes by Brian Wildsmith

息子の時代には超有名になっていたブライアン・ワイルドスミス、その「Fishes」 (さかな)

The Creation

The Creation (天地創造) 仕掛け絵本


The Easter Story

The Easter Story  イースター・ストーリー (キリスト復活物語)



「Jesus (イエス)」は、ブライアン・ワイルドスミスの「最後の晩餐」が表紙になっている。なんかオリジナルが感じられる絵なんだよね、洋書からは。


ブライアン・ワイルドスミスの「受胎告知」と「キリストの降誕」の場面。邦訳は「こどものためのイエス・キリスト物語」となっている。
| BOOK | 19:46 | trackbacks(2)

えっ!まだ読んでんの?sai!って言いたいとこだけど、僕もね。

記事 悪平等
記事 週刊少年ジャンプ 19号

僕と同じくらいの「いい年した男」が、コンビ二で立ち読みしている姿にむかつき、カッコワルーイと思う。買えよ!

sai は結構ダークなキャラが好きなのだろうか。

僕は、DEATH NOTE が好きだったけど、最終回だけはひどかった。やっぱ「L」が良かったな。少年ジャンプ歴は、煙草歴や職歴より長いのに、いまだに記憶にあるものが少なくなった。

ハレンチ学園、男一匹ガキ大将世代。で、いま記憶に残っているのがるろうに剣心、ジャングルの王者ターちゃん、世紀末リーダー伝たけし!、ジョジョの奇妙な冒険、封神演義、ヒカルの碁、ムヒョとロージーの魔法律相談事務所、賢い犬リリエンタール

コブラ、ジョジョの奇妙な冒険、DEATH NOTE 、BLEACH、、D.Gray-man、HUNTER×HUNTER、CLAYMORE(SQ) は単行本は持ってんの、僕。

このごろ見るD.Gray-manは絵、変わったよね。・・・。

長いジャンプ歴の僕だが、寺沢武一の「コブラ」(COBRA THE SPACE PIRATE)が一番イイ。

さて、僕の好きなキャラクターは、もちろんコブラ。DEATH NOTE は「L」だけど、BLEACHは市丸ギン、平子真子、浦原喜助、握菱鉄裁、有昭田鉢玄が好きだ。

D.Gray-manはハワード・リンク (Howard Link)、HUNTER×HUNTERはゾルディック家の面々。

不思議と「賢い犬リリエンタール」は、あのセリフが好きだったな。

| BOOK | 23:41 | trackbacks(1)
このセレスタン・ギタールの日記は、ほとんど毎日のように綴られている日記から、僕がトピックし、引用・要約(かなり短く)しているので、フランス革命下の一市民の日記 セレスタン・ギタール著 レイモン・オベール編 河盛好蔵藍訳 中央公論社 を実際に読んでみてください。

この記事で注釈をしていないところなんか、インターネットで自由に検索すれば答えがでてきます。

感想のほか、この日記や注釈で、あれっ?って気がついたところは、僕なりにコメントしてます。で、気がつかないところもあります。以上。

(フランス革命下一市民の日記 過去記事一覧は記事最後です。)


1794年8月〜10月
 
8月5日 火
今日、極悪人コフィナールの処刑が行われた。

8月7日 木
3、4日前から些細なことで投獄されていた囚人たちが続々釈放されている。

8月10日 日
民衆がチュイルリー宮を包囲し、国王が妻と子を連れて公会に非難してからちょうど2年目にあたる。彼らはその2日後に幽閉されたのだ。この日を記念して祭典が催された。

8月18日 月
全県から選出された陪審員が到着。昨日再開された。

8月19日 火
サン・ジェルマン修道院裏手から出火した。図書館はほぼ全焼し、二度と入手できない貴重な原稿の一部が失われた。150万冊が焼失した。

8月31日 日
士官学校のそばのグルネル城の火薬庫が爆発した。パリ中が仰天した。家が揺れる。13日間に二つも事故が起こった。

9月9日 火
マレー区で公会議員のタリヤンが襲われた。フロレン、ルコワントルとともに4日前にジャコバン・クラブを追放されたばかりである。

9月21日 日
マラーの遺体が盛儀をもってパンテオンに合祀された。国王との書簡が死後暴露されたミラボーの遺体は搬出された。3週間後には、ジャン・ジャック・ルソーをパンテオンに移す儀式が挙行される。

国民公会は48革命委員会を廃止。12の革命委員会を新設した。

10月5日 日
チュイルリーで女性同伴のカムラン氏に会った。11ヶ月前に投獄され、3日前に出獄したという。

10月11日 土
今日、ジャン・ジャック・ルソーの遺体をパンテオンに移す壮麗な儀式が挙行された。ルソーは鉛の棺に納められていた。ルソーは旧ジラルダン伯爵(→ジラルダン侯爵だから)所有の城内庭園に埋葬されていた。池のなかのポプラ島に霊廟を建てたのである。

こうしてヴォルテール、マラー、ルソーがひとつの納骨所に並置されることになった。この3人は生前も高名であったが、死後も不滅の名をとどろかせるであろう。

10月16日 木
パリ・ジャコバン・クラブ、各区およびパリ全土の民衆協会に対する法令。
一 政府転覆を企図し共和国の統一を破壊するものとみなし合併、統合、連合、連携を禁ずる。
二 布告から20日以内に構成員一覧を提出。毎3ヶ月に同様の表を提出すること。

10月20日 月
クロッソン氏、ミレ氏はカルメル会監獄に収容されていたが、ようやく昨日出獄し、タラリュ・ホテルに移された。


 僕の注釈 本書の注釈  1794年8月〜10月

ギタールは、プレリアール22日法の廃止についても何も書いていない。8月1日に廃止された。

法については 記事 マクシミリアン・ロベスピエール
使用方法は  記事 ジャコバン派独裁 恐怖政治編 (1794年1月〜7月)

コフィナールが最後の一人である。ロベスピエール派として処刑されたのは109名としているものがあるが、ギタールの日記では104名である。3名は処刑を免除されている。ダヴィッドは処刑リストにもはいっていない。もしかしたら、僕の記入ミスかも。自殺したル・バ、デュプレ夫妻は計算に入れてないから。

なんかテロっぽい事件が相次いでいるけど。よくわからん。

9月の暗殺はジャン=ランベール・タリアンのことだ。26年後の53歳まで生き延びる。9月虐殺に関与する一人。1793年のボルドーでの粛清は、ロベスピエールには手ぬるいと言われたが、そこで情婦テレーズと関係を持ったため。のちにこのテレーズが投獄され、テレーズの処刑の前日にロベスピエールの自宅で会見したが、けんもほろろの扱いを受ける。

テレーズはタリアンに「何してるのよ、早くここから連れ出して!」という最後の手紙で、ようやくロベスピエールの失脚の立役者で名を残すことになった。テレーズを無事に監獄から連れ出すことができたが、テレーズはのちにバラスの愛人になる。

「暴君を打倒せよ」、これはテレーズのために出たものである。

9月から10月にかけて偉人のパンテオンにマラーとルソーが揃ったわけだ。ルソーはヴォルテールに死んでからも「四つ足」と蔑まれたのだろうか。

1794年のこのあと、誰が作者かわからないペンネームの面白いパンフレットがある。この3人がパンテオンで大論争をしているというもの。ルソーとマラー、なだめ役がヴォルテールだ。

記事 パンテオンにおけるマラーとジャン=ジャック・ルソーとの大論争

Head of the Dead Marat - David, Jacques-Louis - Neoclassicism-2

マラーの頭部 部分(detail)
ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David)


マラーはギタールの日記で一番よく登場しているのではないかと思う。このマラーは、葬儀、コルドリエ・クラブの胸像、そしてロベスピエールが神格化したマラー、このパンテオンの挙行など、「象徴化」された存在である。

ロベスピエール編 その1 (1792年12月〜1793年7月)→7月13〜28日
ロベスピエール編  その2 (1793年8月〜1793年12月)→9月22日
フランス革命下の一市民の日記 1793年 7月

革命側からは「自由と平等」、「徳高き博愛家」、そしてあの名のとおり「人民の友」だ。反革命側からは、「秩序破壊者」、「血に飢えた狼、あるいは食人鬼」、そして「テロリスト」、「アナーキスト」である。

結局、マラーは美貌の暗殺者シャーロット・コルデに殺され伝説の人となったわけだ。民衆への奉仕、真実を語った男としての伝説。それは永遠不滅な市民の崇拝となった。

それは栄光のうちに死んだからだ。ロベスピエールは失脚して死んだ。その違いかもしれないし。

そしてロベスピエールがいかに独裁的で恐怖政治を行っていたかを見せしめるように、つぎつぎと監獄から解放される囚人たち。ジャコバン・クラブの迫害のはじまりでもある。


 1794年11月〜12月

11月6日 木
クロッソン氏を含む7名のサント・ドミンゴ派遣使節は今日全員釈放となった。

11月10日 月
パレ・ロワイヤルに集まった若者達60〜80人が、ジャコバン・クラブに投石する。

11月11日 火
ナントで多数の人を処刑した代議士カリエが告発された。

11月12日 水
法令によりジャコバン・クラブの集会を禁止した。

11月15日 土
サントネーとボルヴレルがパーシェとブリュレの弾劾演説を行い告発した。

11月19日 水
どこも大豊作なのにあらゆる商品が毎日値上がりしている。労働力の不足のせいだ。

11月24日 月
サン・マルタンのラモット氏と昼食。村の暮らしは平穏だが肉屋に肉がない。百姓が一番恵まれている。

11月28日 金
クロワ・ルージェ区の革命委員10名がさまざまな策謀の廉により、20年の漕役刑を宣告された。多くの人々を投獄し財産没収したものを強奪したのである。

今日から6日間、無帽の曝しの刑を受ける。彼らは150万リーヴルの盗みを行った。

12月8日 月
ロベスピエールとその徒党により投獄されてた代議士71名の判決を取り消し、代議士71名の判決を取り消した。モンターニュ派とジャコバン派は打撃である。なぜならば彼らは決してジャコバン派の味方にならないからである。

12月16日 火
公会議員カリエはヴァンデの反乱の際、一斉銃殺をし、ナントでは溺死刑と虐殺を命じた。老人、妊婦、子供、乳児にいたるまで小型ガリー船に乗せ溺死させた。ナント革命裁判所判事ピナールとともにギロチンにかけられた。

12月23日 火
革命裁判所が解体されている。

ロベスピエールが「最高存在」を真理としたあの日、彼はここへ来て、民衆に演説をした。ついでシャン・ド・マルスへ赴き、代議士達と築山に上った。

ロベスピエールは築山の頂上で両手を天に差し伸べた。それは「最高存在」に両手を差し伸べるモーゼの再来さながらの姿だった。その一方でこの男は、人々の首を掻き切り、虐殺し、溺死させていたのだ。

なんという極悪人だ。そのうえ人々をギロチンにかけたのだ。この人非人は神を軽んじ、神を侮辱したのだ。


 僕の注釈 本書の注釈

クートンに法に違反しているかどうかを確かめたギタール。4月23日の話だが、このクロッソン氏に関わることだった。

クートンはすでに処刑されたが、クロッソン氏らの釈放されるまでが書かれている。それと同時にジャコバン・クラブへの投石。やだね。ギタールも軽薄な行動だと記してはいた。

そして食料や生活必需品の値上げ。虐殺や財産没収で告訴される極悪人。だがテルミドールのバラスたちは告発をされない。

ロベスピエールと同じように「贖罪の山羊」である。同じ罪を犯した者のすべてをその身に引き受けなければならない。憐れな役目である。だが、仕方がない。

革命委員10名は20年の漕役刑だ。17世紀の「ノエル=レオン・モルガール師の予言集」で有名なモルガールも王家を批判するような予言のために、漕役刑に処せられたわけだけど、フランスの伝統的な刑罰だ。

他方の極悪人カリエはナントで小型ガリー船に乗せ溺死させたというが、このガリー船(ガレー船)を漕ぐのが漕役刑で、これを漕ぐのは非常に辛いとされている。

歴史的に漕役刑は9年とされていたようだが、なんと20年。

で、150万リーヴルの盗みを働いた彼らの刑は無帽の曝し。藁の曝し台の杭に縛られ、その者たちの頭には、氏名、年齢、身分、罪状が掲示される。日本にもあったような刑だ。このうちの2人は無罪放免、そのうち一人は自殺した。

これはどこに藁の曝し台が置かれるのだろう。獣が多いところだと襲われ死んでしまう。身体が弱れば獰猛な鳥が攻撃してくるかもしれない。

この年の最後はロベスピエールの思い出で終わる。

Maximilien Francois Marie Isidore de Robespierre by Jacques-Louis David

処刑台に向かうロベスピエール 1794年
ジャック=ルイ・ダヴィッド(Jacques-Louis David)?
サインの文字がダヴィッドのものではないような気がする


マラーと違い、失脚して死んだロベスピエールは神格化されなかった。だが生前自分で自分を神格化した。

「最高存在の祭典」は、「道徳上、政治上の大きな刺激を与える」ものだが、詳しくはこちらの記事からね。

マクシミリアン・ロベスピエール
ジャコバン派独裁 恐怖政治編 (1794年1月〜7月)

彼はこの祭典に、民衆を強制的に集めた。そしてギタールが書いているように「ロベスピエールは築山の頂上で両手を天に差し伸べた。それは「最高存在」に両手を差し伸べるモーゼの再来さながらの姿だった」のだろう。

僕はこれが反ロベスピエールらに「専制」、「独裁」だと思わせたと思う。ロベスピエールは、まだ何も勝利していないのにもかかわらず、勝利の美酒に酔ってしまった。それがこの人の思慮のなさでもある。



フランス革命下一市民の日記 過去記事一覧

テルール(恐怖)のあと (1794年8月〜12月)
ジャコバン派独裁 恐怖政治編 (1794年1月〜7月)

ロベスピエール編
ロベスピエール編 その1 (1792年12月〜1793年7月)
ロベスピエール編  その2 (1793年8月〜1793年12月)

1793年
フランス革命下の一市民の日記 1793年 1月
フランス革命下の一市民の日記 1793年 4月
フランス革命下の一市民の日記 1793年 7月
フランス革命家の一市民の日記 1793年10月

1792年
フランス革命下の一市民の日記 1792年の3月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の4月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の5月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の6月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の7月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の8月
フランス革命下の一市民の日記 1792年の9月
フランス革命下の一市民の日記 1792年 10月
フランス革命下の一市民の日記 1792年 12月

1791年
フランス革命下の一市民の日記 1791年の2月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の4月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の5月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の6月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の7月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の8月
フランス革命下の一市民の日記 1791年の9月
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