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Dirk Bouts The Annunciation 1450 - 1455 The J. Paul Getty Trust

ディルク・ボウツ  受胎告知 1450 - 1455
ゲッティ美術館所蔵


ゲッティ美術館所蔵のディルク・ボウツ「受胎告知」はこの1枚だったはずなんだけど。こんな「受胎告知」を発見してしまった。


調べてみたら、この作品と同じものを掲載しているサイトを発見した。

ディルク・ボウツの祭壇画には中央パネルが全く同じ「最後の晩餐」で、右翼と左翼が違うパターンのものだが、完全な復元が難しいようで、二つのパターンが知られているが、聖ペトロ教会で公開されているのは下の配置での祭壇画。上は個人所蔵。



多翼祭壇画 聖餐の秘跡の祭壇画 ディルク・ボウツ 
個人所蔵、聖ペテロ教会


この祭壇画に関係のある二枚目の「受胎告知」は模写なのか。それとも二人の息子はボウツ工房の作品だろうか。ディルク・ボウツの「キリストの生涯」は「聖餐の秘跡の祭壇画」 と一組だと言われている。そうすると個人所蔵の「受胎告知」ではないかと。


多翼祭壇画の「イエス ・ キリストの生涯を表す5 つ絵画の一場面が、ゲッティ美術館の「受胎告知」だ。上部の左翼。


こんなカンジではないかという説のひとつ。受胎告知、東方三博士の礼拝、中央パネルがキリストの磔刑。そしてキリストの埋葬、キリストの復活という説がある。ちなみに東方三博士の礼拝は模写らしい。


キリストの埋葬(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)、キリストの復活(ノートン・サイモン美術館)も、ディルク・ボウツは何枚が描いている。中央パネルの「キリストの磔刑」は王立美術館所蔵。


そうすると、もしかすると謎の「受胎告知」は、この「キリストの磔刑」(王立美術館)とあわせた祭壇画のコピーだったのかも。

ひとつ気になるのは、カラーの方は確かにベルギー王立美術館なんだけど、モノクロの方は個人所蔵のような気がする。



多翼祭壇画「イエスの生涯」 ディルク・ボウツ 聖ペテロ教会の予想図

 



多翼祭壇画「イエスの生涯」 ディルク・ボウツ 個人所蔵を仮定した予想図


だったら、こんなカンジがあったんだろうか?ディルク・ボウツの受胎告知はいくつかある。多翼祭壇画の一部のものもある。

Polyptych of the Virgin: The Annunciation, The Visitation, The Adoration Of The Angels and The Adoration Of The Kings

ディルク・ボウツ  聖母の祭壇画 プラド美術館


ディルク・ボウツの聖母の祭壇画は、右から「受胎告知」、「エリザベツへの訪問」、「キリスト降誕」、「東方三博士の礼拝」の順になっている。

Bouts Annunciation   Czartoryski Museum

ディルク・ボウツ 受胎告知 チャルトリスキ美術館


Bouts, Dirk the Elder - The Annunciaton

ディルク・ボウツ  受胎告知 1465-70 カルースト・グルベンキャン美術館




ディルク・ボウツ  受胎告知 エマ・ゴードン文化財団

 

| 受胎告知 | 18:20 | trackbacks(0)

Annunciazione con 1515 by Francesco Fantoni Da Norcia

フランチェスコ・ファントーニ・ダ・ノルチェ  受胎告知


受胎告知に聖セバスティアヌス(聖セバスティアン)と聖カタリナ。フランチェスコ・ファントーニ・ダ・ノルチェに帰属するという作品。

| 受胎告知 | 22:57 | trackbacks(0)

isenheim altarpiece by matthias grünewald


皆さん、ご存知のマティアス・グリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画の第二面にある「受胎告知」です。

今日の昼、僕の友人のsaiからメールが来て、扁桃腺で休んでいるらしく何年か前の記事をアップしてなかったそうで、僕にクラナッハの受胎告知の作品画像をあげるから、マティアス・グリューネヴァルトの受胎告知の記事を書けという・・・。なんで・・・。

というとマティアス・グリューネヴァルトが、saiがアップしたかったクラナッハの変わり祭壇を設計しているから、自分はそんな記事をアップするヒマがないからだそうだ。

で、いま喫茶店で休憩をとりながら書いている。なので、それぞれの解釈はいずれゆっくりアップするので記事の最後へ更新。


この人は預言者イザヤ。イーゼンハイム祭壇画の第二面にことごとく出現。

イザヤ書 7.14
「それゆえ、わたしの主が御自ら あなたたちにしるしを与えられる。 見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ。」

イザヤ書 7.15
「その子が悪を捨て、善を選ぶことを知るころになって、凝乳と、蜂蜜とを食べる。」

自分の「イザヤ書」を手に、受胎告知の予言を開いている。


ということは、マリアが開いているのは「ルカ 1.38」?

マリアは言った。「私は主のはしためです。どうぞ、お言葉どおりこの身になりますように。」こうして御使いは彼女から去って行った。

マリアの受胎告知はルカ福音書の1章26節−38節にある。過去記事「ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス 受胎告知」に全文記載しています。


それで御使い(大天使ガブリエル)は、前後するが「「ルカ 1.37」にある「神にとって不可能なことは何一つない。」と言っているのだろうか。

それで
マリアは言った。「私は主のはしためです。どうぞ、お言葉どおりこの身になりますように。」

それでは全体像を簡単に。

Mathis Gothart Grünewald Isenheimer Altar Musée dUnterlinden

マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 第1面(平日面) 1511−1515
中央「キリストの磔刑」、左翼「聖セバスティアヌス」、右翼「聖アントニウス」
プレデッラ(祭壇下部分)「キリストの死への哀悼」
ウンターリンデン美術館


中央パネルの内側翼が開くと・・・

Matthias Grunewald, The Annunciation; Madonna and Child with Angels; The Resurrection

マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 第2面(日曜面)
中央「キリスト降誕」、左翼「受胎告知」、右翼「キリストの復活」
プレデッラ(祭壇下部分)「キリストの死への哀悼」
ウンターリンデン美術館


さらに開くと・・・

 

マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 第3面(聖アントニウスの祭日面)
木像 ニコラス・フォン・ハーゲナウ
中央「三聖人」(中央:聖アントニウス、左:聖アウグスティヌス、右:聖ヒエロニ)
左翼「聖アントニウスの聖パウロ訪問」 右翼「聖アントニウスの誘惑」
プレデッラ(祭壇下部分)「キリストと十二使徒」
ウンターリンデン美術館


第1面以外の展示はこんなかんじで分断され・・・



(C)wiki


今年は英国メールからはジェーン・オースティン「高慢と偏見」出版200周年の記念切手が発売されたり、フランス郵政(la poste française)からは、2012年がこのマティアス・グリューネヴァルトの「イーゼンハイム祭壇画」作成から500年ということで記念切手のシートが売りだされた。

500th anniversary  Isenheim Altarpiece stamp


1枚は永久保存版に、もう1枚はカットした。

マティアス・グリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画は、この記念切手のように、中央をパタンパタンと広げて3通りに変わる「変わり祭壇」だ。

冒頭で書いたとおりにあのクラナッハ、そのクラーナハ工房(クラナッハ工房)によるハレ(ハッレ)のマルクト教会主祭壇画(1529)は、マティアス・グリューネヴァルトの設計だという。

sai記事 クラナッハ(父)&工房 vs デューラー vs グリューネヴァルト ブランデンブルクのアルブレヒト枢機卿

このsaiの記事のタイトルにあるブランデンブルクのアルブレヒト枢機卿は、彼の記事にもあるが、マティアス・グリューネヴァルトも描いている。

聖エラスムスとしてのアルブレヒト・フォン・ブランデンブルクと聖マウリティウスの出会い 1520-24当時のマルティン・ルターの天敵アルブレヒト枢機卿。そして3人の画家もルター派だ。

アルブレヒト枢機卿の宮廷画家がマティアス・グリューネヴァルトで、ルター派に転じ、この作品「聖エラスムスとしてのアルブレヒト・フォン・ブランデンブルクと聖マウリティウスの出会い」を描いたあとに解雇になっている。よく考えると、枢機卿アルブレヒトのハレ聖遺物書(ハッレ聖遺物書)を描いた作品ではないか。

グリューネヴァルトは農民側についたとして追放されるが、400年後のパウル・ヒンデミットの交響曲「画家マティス」、オペラの「画家マティス」として「音と言葉」で語り継がれている。

マティアス・グリューネヴァルトは、マティス・ゴートハルト・ナイトハルトが本名。

画家マティスの第六場で、マティスがレギーナに「天使の奏楽」を語るところは、イーゼンハイム祭壇画の第二面「キリスト降誕」での天使の奏楽を想像させる。

ところでこのオペラで、パウル・ヒンデミットはナチスに弾圧を受け亡命。指揮者のヴィルヘルム・フルトヴェングラーも亡命したところは、「画家マティアス(マティス)」の追放と同じで、いつの世も同じことの繰り返し。だが16世紀のアルブレヒト枢機卿も、19世紀のヒトラーも敗退している。

YOU TUBE パウル・ヒンデミットの交響曲「画家マティス」
Paul Hindemith - Symphony Mathis der Maler (1934)

アシャッフェンブルクの聖ペトロ、アレクサンドル教会には、敗退したアルブレヒト枢機卿の美術品などが残されている。



まだ続く・・・。休憩時間が終わったので、



saiに催促された記事はここで終了。で、「十四聖人の祭壇画」を紹介する。

Schüler Albrecht Dürer

デューラー派によるリンデンハルト祭壇画の可能性


マティアス・グリューネヴァルトのオリジナルかどうか論争になって5年目。リンデンハルト祭壇画は祭壇の起源に関する理論まで引き起こしている。

一番にはデューラーの門下生だったハンス・フォン・クルムバッハらしい。

Fourteen Saints Altarpiece Mathis Gothart Grünewald 1503 Lindenhardt,protestant church or Schüler Albrecht Dürer

中央パネル 苦しみの人としてのキリスト  左右逆です。
十四聖人の祭壇画(リンデンハルト祭壇画) 1503年 マティアス・グリューネヴァルト




1503年だから、もしマティアス・グリューネヴァルトであれば現存して鑑賞できる作品では、一番はじめの作品になる。



リンデンハルト祭壇画 左翼・右翼を閉じた状態
マティアス・グリューネヴァルト 右;六聖人 左:八聖人 


なんだか中央のパネルがほんと情けないけど、「救世主」になる。右側には六聖人、左には八聖人を置いてみた。救世主を人間らしく描いている。けれどもう少し、どうにかならなかったのか。左右が主役に見える。

竜とアンティオキアのマルガリタ(聖マルガリタ)が迫力あるな。一番いいな。誰の作品だろう。



グリューネヴァルトの絵画は25点ほどって言われているらしいが、消失した作品を模写しているものもある。

Christoph Krafft (nach Grünewald), Magdalenenklage, 1648, Öl auf Leinwand, Künzelsau, Museum Würth

クリフストフ・クラフトによる「マティアス・グリューネヴァルトのマグダラのマリアの嘆き」
1648 ウルト美術館




マティアス・グリューネヴァルトのマグダラのマリアの嘆きがいつごろの作品だったのかはわからなかったが、横からの「キリストの磔刑」を描いている。顔が見えない。オリジナルはどうだったのだろうか。



紋章について 右 デューラー マクシミリアン1世


おもしろいのは右上の紋章のようなもの。マティアス・グリューネヴァルトは紋章を描いているけれど、左側のデューラーのようにわざわざ注釈のように画き込んでいない。

紋章で誰を描いているのかはっきりわかるのが、聖ペトロ&アレクサンドル教会 司教座聖堂(アシャッフェンブルクにある「キリストの哀悼」で、おなじ聖ペトロ&アレクサンドル教会には、「キリストの哀悼」に紋章とともに描かれた人物とマティアス・グリューネヴァルト自身を画きこんだ「シュトゥパッハの聖母子」(コピー)がある。

記事 グリューネヴァルトのシュトゥバッハの聖母子 聖母戴冠教会vs聖ペトロ&アレクサンドル教会

マティアス・グリューネヴァルトの祭壇画は他にもあるね。

ユイスマンがマティアス・グリューネヴァルトの イーゼンハイム祭壇画にある「キリストの磔刑」を言及しているが、カールスルーエのよりも恐ろしくはないとあった。

カールスルーエも、もともと「タウバービショフスハイムの祭壇画」(1523-25)で、マティアス・グリューネヴァルトの最後の祭壇画になる。

記事グリューネヴァルトのシュトゥバッハの聖母子 聖母戴冠教会vs聖ペトロ&アレクサンドル教会にも紹介されているけれど、そんなに恐ろしいものではない。クリフストフ・クラフトによる「マティアス・グリューネヴァルトのマグダラのマリアの嘆き」の十字架をつきぬけるキリストを打った釘の長さのほうが、僕には恐ろしい。

「タウバービショフスハイムの祭壇画」としてあるのは、「十字架を担うキリスト」と「キリストの磔刑」の二枚。「十字架を担うキリスト」は、エル・グレコのような苦悩が見えない様子ではない。恐ろしいほどキリストは人間なんだと思え、切なくなるような描き方だ。

クリフストフ・クラフトによる「マティアス・グリューネヴァルトのマグダラのマリアの嘆き」にある紋章から、ベネディクト派修道院、聖ブラージエンにあったのではないか。

1638年から1664年まで修道院長だったエンシスハイムからのフランツ1世シュルロッテ(?)を示しているようだ。エンシスハイムにも聖マルティン市教区教会があるが、タウバービショフスハイムの磔刑図はタウバービショフスハイムの聖マルティン市教区教会にあったので、依頼したと思えるフランツ1世シュルロッテ(?)は、なんらかの縁でマティアス・グリューネヴァルトの名と作品を知っていたのだろうか?

もし、タウバービショフスハイムの聖マルティン市教区教会にあった祭壇画を知っていたのなら、このマティアス・グリューネヴァルトのマグダラのマリアの嘆きは、祭壇画の一部だったのかな。



(C)http://blog.oricon.co.jp/renaissance/さてマティアス・グリューネヴァルトの祭壇画は、デューラーとの共同制作による「ヘラ−祭壇画」がある。右のグリザイユの四つのパネルがグリューネヴァルト。中央パネル(デューラーの肖像入り)、右翼、左翼はデューラーだが、焼失している。ヨープスト・ハリッヒの模写になる。
 ↓
記事 クラナッハ(父)&工房 vs デューラー vs グリューネヴァルト ブランデンブルクのアルブレヒト枢機卿



マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 第1面(平日面) 1511−1515




illum oportet crescere me autem minui (ヨハネ3-30)
あの方は盛んになり、私は衰えなければならない。


なぜ、マタイ第13章の10から12節におけるテクストではなかったのだろう?

13-11 わたしのあとから来る人はわたしよりも力のある方
13-12 麦をふるい分け、麦は倉に納め、からは消えない火で焼き捨てる

詳細は記事「マティアス・グリューネヴァルト  バプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)とユイスマンの告白」から



Ecce Agnus Dei, ecce qui tollit peccata mundi (ヨハネ1-29)
見よ、世の罪を取り除く神の小羊


イーゼンハイム祭壇画 第1面には「キリストの洗礼」、「キリストの復活」も描かれたと解釈した。施術を受ける者たちにキリストの腐乱した肉の苦しみの果てを具現化することで、施術の痛みと死の恐怖を払う役目だけのものなのか。

書き込まれたバプテスマのヨハネのテクストはマタイ第13章の10から12節に書き換えると、聖アントニウスの火」(麦角中毒)の手足を切断する斧と、麦と殻の手足を切断された、あるいは切断される人々になる。

詳細は記事「マティアス・グリューネヴァルト  バプテスマのヨハネ(洗礼者ヨハネ)とユイスマンの告白」から


マティアス・グリューネヴァルト イーゼンハイム祭壇画 第2面(日曜面) 1511−1515


あとになってすごく気になった。

Matthias Grünewald,(Mathis Gothart Neithart / Mathis Gothardt Neithardt)

シュトゥバッハの聖母子とイーゼンハイム祭壇画の聖母子


雪の聖母の祭壇の中央パネルとイーゼンハイム祭壇画の聖母子はよく似ている聖母の顔なんだけど、なぜか同じ第二面の受胎告知のマリアの顔と全く違う。



受胎告知に描かれている聖母マリア


ということは、シュトゥバッハの聖母子とイーゼンハイム祭壇画の聖母子は誰かの肖像なんだろうか?だが、第3面(聖アントニウスの祭日面)に見られる特定できる紋章がないような・・・

この第2面は楓がアップしているのでそこから見てください。
記事 「
グリューネヴァルトの聖女たち


マティアス・グリューネヴァルト 
イーゼンハイム祭壇画 第3面(聖アントニウスの祭日面) 1511−1515   解説ではなく解読中



もともとマティアス・グリューネヴァルトのイーゼンハイム祭壇画はイーゼンハイムの聖アントニウス会修道院付属施療院に置かれたものだそうだ。

グリューネヴァルトの時代にライ麦の病害「聖アントニウスの火」が大流行し、人々は死んでいったらしい。

Der Kampf zwischen Karneval und Fasten (1559) Brueghel Young

「聖アントニウスの火」で切断されたと思われる人
「謝肉祭と四旬節の喧嘩」1559年 美術史美術館
ピーテル・ブリューゲル


イーゼンハイムの修道院には「聖アントニウスの火」(麦角中毒)で腐った手足を切断手術を施す施術士がいたらしいが、そういえばピーテル・ブリューゲルの絵の中に、足が切断された人、義足をつけた人々が描かれていたから、この「聖アントニウスの火」は、グリューネヴァルトがペストで死んでからも続いていたのかと思うとゾッとする。

Matthias Grünewald,(Mathis Gothart Neithart / Mathis Gothardt Neithardt)

マティアス・グリューネヴァルト
「聖アントニウスの火」に冒された悪魔(僧侶)
あるいは梅毒に侵された僧侶


イーゼンハイムの第1面の左翼にペストの守護神で、聖セバスティアヌスと右翼に描かれた聖アントニウスは養生の守護神。

Wo warst du, guter Jesus, wo warst du? Warum bist du nicht dagewesen, um meine Wunden zu heilen?

マティアス・グリューネヴァルト


Ubi eras Ihesu bone ubi eras quare non affuisti ut sanares vulnera mea
(Wo warst du, guter Jesus, wo warst du? Warum bist du nicht dagewesen, um meine Wunden zu heilen?)

紙片に書かれているのは「主イエスよ、何処に?何処にいらした?なぜ私を癒しに来なかったのか。」(「聖アントニウス伝」より」

アレクサンドリアのアタナシオス(298-375)の「聖アントニウス伝」から紙片に描きこんだ。

作品の典拠はヤコブス・デ・ウォラギネ(1230頃 – 98)のレゲンダ・アウレア(黄金伝説)の第21章「聖アントニウス」によるものだ。



七つの大罪 エミール・シュペート説
左 強欲、左下 憤怒、中央 傲慢、罪(神からの離脱)、右上 怠惰


さらにマティアス・グリューネヴァルトの「アントニオスの誘惑」の魔獣たちを「七つの大罪」に例えられるという。ところが解釈が多くあって、それぞれ違うんだな、これが。



マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪 強欲




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
ヴィルヘルム・ニッセン説 七つの大罪 嫉妬




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
ヴィルヘルム・ニッセン説 七つの大罪 憤怒




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪 憤怒




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪 アスモデウス




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪 暴食




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
七つの大罪 怠惰




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪  グリフォン




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪  サタンかと




マティアス・グリューネヴァルト 聖アントニウスの誘惑
僕としては 七つの大罪  ?


ロザリオを持つ聖アントニウスの近くに小さく描かれている。しかも見ている先は「聖アントニウスの火」に冒された悪魔lあるいは梅毒に侵された僧侶なんだよ。

Matthias Grünewald,(Mathis Gothart Neithart / Mathis Gothardt Neithardt)


つまりはここの解釈は、梅毒に侵された僧侶だとすると「好色」と「教会の腐敗」をあらわし、「聖アントニウスの火」に冒された悪魔(僧侶)ならば、どういうことを示すんだろうな。

この病に侵された男は僧侶の帽子を被っている。




Hans Baldung Griens    Die Sieben Todsünden (1511)

ハンス・バルドゥング・グリーンの「七つの大罪」(1511)





Guido Guersi

マティアス・グリューネヴァルト  グイド・グェッラの肖像画 1514
聖アントニウスのグイド・グェッラの肖像 (イーゼンハイム祭壇画)


左翼の「聖アントニウスの聖パウロ訪問」での聖アントニウスはイーゼンハイムの聖アントニウス会修道院の修道院長のグイド・グェッラの肖像画だ。つまり依頼主になる。


クロウメモドキ、バーベナ(ビジョザクラ)、そしてグイド・グェッラの紋章。


ホワイト・カバー、ベロニカ・ブルーフォンテン、ナガミヒナゲシ、ゲンティアナ・クルキアタ、クロウメモドキ・・・らしい。


マティアス・グリューネヴァルトと聖パウロ。ちょっと似ている気がする。



二人に二斤のパンを運んでくるカラス




ベラスケス 聖アントニウスの聖パウロ訪問 1635


どちらもカラスが二人にパンを運んできたところを描いている。聖パウロはいつもは半分だが、ひとつ持ってきてくれたという場面。

グリューネヴァルトは棕櫚の葉を綴り合わせて造ったという服のとおりに聖パウロを描いている。そして聖アントニウスが司教アナタジオから預かったマントは、聖パウロの遺骸を包むことになる。

列王記伝17:6では、預言者エリヤのもとにワタリガラスがパンと肉を運ぶ。



Italo Bacigalupo
コメント:十四聖人の祭壇画(リンデンハルト祭壇画)はマティアス・グリューネヴァルトかハンス・フォン・クルムバッハか?

| 受胎告知 | 16:45 | trackbacks(1)

Museo de Bellas Artes de Valencia Milieu du XVe siècle. Auteur. Jacomart. Jaume Baçó Escrivà (Valencia 1411- 1461),Contexte culturel. Gothique

受胎告知 ハコマート バレンシア美術館


こちらは15世紀ぼスペイン、ゴシック様式のハコマート(ハイメ・バコ 1410-61)の「受胎告知」だ。スペインといえば16世紀にエル・グレコ(1541-1614)がいる。


 

ElGreco, Annunciation c1600 BMFA

エル・グレコ 受胎告知 1590-1603(16世紀)
ブダペスト西洋美術館



 
15世紀はイタリアルネサンスが花盛り。初期ルネサンスにはフラ・アンジェリコ。メディチ家のプラトン・アカデミーの時代にはベノッツォ・ゴッツォリ、ドナッテロ、レオナルド・ダ・ヴィンチやボッティチェッリ。

■15世紀の受胎告知
記事 ヘラルト・ダヴィット   受胎告知
記事 ベノッツォ・ゴッツォリの「受胎告知」
記事 サンドロ・ボッティチェッ 受胎告知
記事 フラ・アンジェリコ 6枚の受胎告知(Annunciation)
記事 セバスティアーノ・マイナルディ (サン・ジミニャーノの 参事会教会)
記事 ドナテッロ 受胎告知(サンタ・クローチェ教会)
記事 レオナルド・ダ・ヴィンチの「救世主」誕生の「受胎告知」

(Paolo Schiavo  LAnnonciation Saint Laurent

受胎告知(大天使ガブリエル、聖母)、聖ヒヤシンスと聖ヒエロニムス
初期ルネサンス パオロ・スキアーヴォ(パオロ・ディ・ステファーノ)




■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

■14世紀の受胎告知
記事 14世紀の受胎告知 シモーネ・マルティーニたち

他にはまだ書いてないからsai のブログから ⇒記事 サンタ・マリア・ノヴェッラ 
アーニョロ・ガッディの受胎告知、ドメニコ・ギルランダイオのフレスコ画の受胎告知

■16世紀の受胎告知
記事 エル・グレコとその工房 受胎告知
記事  ガロファロ Benvenuto Tisi da Garofalo 受胎告知
記事 16世紀 グリエルモ・カッチャ(モンカルボ)  受胎告知

■17世紀の受胎告知
記事 ルーベンス 受胎告知
記事 17世紀 フランシスコ・デ・リシ  受胎告知

■18世紀の受胎告知
あー、これも記事ないね。
楓記事から 聖母の読書 受胎告知

■19世紀の受胎告知
記事 アーサー・ヒューズの受胎告知
記事 モーリス・ドニ 3枚の受胎告知+1
記事 モーリス・ドニ フィエーゾレの受胎告知
記事 モーリス・ドニ(Maurice Denis) 受胎告知(聖ニケーズ教会)
記事 エドワーズ・バーン=ジョーンズ 受胎告知 
記事 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 聖告(受胎告知)
記事 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの受胎告知 1914(ルカ福音書の受胎告知)
記事 ジェームズ・ティソ 受胎告知 (マタイ編 ヨセフの受胎告知)
記事 フレディリック・ピックフォード・マリオット 受胎告知 

■20世紀の受胎告知
記事 ジェームズ・クリステンセンの受胎告知

| 受胎告知 | 20:29 | trackbacks(0)

Frederick Pickford Marriott Annunciation

フレディリック・ピックフォード・マリオット 受胎告知


19-20世紀の受胎告知として、以前にはウィリアム・ウォーターハウス、バーン=ジョーンズを紹介した。

なんか14世紀とか15世紀っぽいけど、19世紀に生まれて20世紀に亡くなってるから、ちょうどラファエル前派と同時代の人。



■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

■14世紀の受胎告知
記事 14世紀の受胎告知 シモーネ・マルティーニたち

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■15世紀の受胎告知
記事 15世紀の受胎告知
記事 ヘラルト・ダヴィット   受胎告知
記事 ベノッツォ・ゴッツォリの「受胎告知」
記事 サンドロ・ボッティチェッリ 受胎告知
記事 フラ・アンジェリコ 6枚の受胎告知(Annunciation)
記事 セバスティアーノ・マイナルディ (サン・ジミニャーノの 参事会教会)
記事 ドナテッロ 受胎告知(サンタ・クローチェ教会)
記事 レオナルド・ダ・ヴィンチの「救世主」誕生の「受胎告知」

■16世紀の受胎告知
記事 エル・グレコとその工房 受胎告知
記事  ガロファロ Benvenuto Tisi da Garofalo 受胎告知
記事 16世紀 グリエルモ・カッチャ(モンカルボ)  受胎告知

■17世紀の受胎告知
あー、記事書いてないね。書いてた・・・、
記事 ルーベンス 受胎告知
記事 17世紀 フランシスコ・デ・リシ  受胎告知

■18世紀の受胎告知
あー、これも記事ないね。
楓記事から 聖母の読書 受胎告知

■19世紀の受胎告知
記事 アーサー・ヒューズの受胎告知
記事 モーリス・ドニ 3枚の受胎告知+1
記事 モーリス・ドニ フィエーゾレの受胎告知
記事 モーリス・ドニ(Maurice Denis) 受胎告知(聖ニケーズ教会)
記事 エドワーズ・バーン=ジョーンズ 受胎告知 
記事 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 聖告(受胎告知)
記事 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの受胎告知 1914(ルカ福音書の受胎告知)
記事 ジェームズ・ティソ 受胎告知 (マタイ編 ヨセフの受胎告知)

■20世紀の受胎告知
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LAnnunciazione (1528) by Benvenuto Tisi da Garofalo

ガロファロ  受胎告知 1528 ローマ、カピトリーノ美術館


ジョルジョーネ、ティツィアーノとも交友関係があったベンヴェヌート・ティシ・ダ・ガロファロ。教養の高い画家の一人で、洗練された作品と牧歌的な作品がある。

右に猫。猫がいる受胎告知。



■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

■14世紀の受胎告知
記事 14世紀の受胎告知 シモーネ・マルティーニたち

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記事 サンドロ・ボッティチェッリ 受胎告知
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記事 セバスティアーノ・マイナルディ (サン・ジミニャーノの 参事会教会)
記事 ドナテッロ 受胎告知(サンタ・クローチェ教会)
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■16世紀の受胎告知
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あー、記事書いてないね。書いてた・・・、
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記事 モーリス・ドニ 3枚の受胎告知+1
記事 モーリス・ドニ フィエーゾレの受胎告知
記事 モーリス・ドニ(Maurice Denis) 受胎告知(聖ニケーズ教会)
記事 エドワーズ・バーン=ジョーンズ 受胎告知 
記事 ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ 聖告(受胎告知)
記事 ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの受胎告知 1914(ルカ福音書の受胎告知について)
記事 ジェームズ・ティソ 受胎告知 (マタイ編 ヨセフの受胎告知)

■20世紀の受胎告知
記事 ジェームズ・クリステンセンの受胎告知

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Francisco Rizi, The Annunciation, c. 1665

フランシスコ・デ・リシ 受胎告知 1665


プラド美術館所蔵のエル・グレコの「受胎告知」(1570)を思い出してしまうのは僕だけだろうか?



左 エル・グレコ 受胎告知 1570 プラド美術館所蔵 



  
■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

■14世紀の受胎告知
記事 14世紀の受胎告知 シモーネ・マルティーニたち

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オバーリェ礼拝堂 エル・グレコの無原罪の御宿
タベラ施療院 エル・グレコの祭壇画とコレクション 
エル・グレコ 肖像画 フランス王聖ルイと小姓 カスティーリャの系譜
エル・グレコ 無原罪の御宿り(ティッセン=ボルネミッサ美術館、サンタ・クルス美術館)
サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂 エル・グレコの祭壇と墓碑 ソネットを捧げたパラビシーノ
エル・グレコの肖像画から ベラスケスとオソロの赤い十字 サンティアゴ騎士団 フリアン・ロメロと守護聖人
| 受胎告知 | 21:24 | trackbacks(0)

Guglielmo Caccia(Moncalvo) Annunciazione St. Andrews church (Alba, Italy)

グリエルモ・カッチャ(モンカルボ)  受胎告知 聖アンドリュー教会


最近、エル・グレコの記事ばっかり書いていたものだから、こちらもエル・グレコの受胎告知の構図に良く似ているなと思ってしまった。

通称モンカルボことグリエルモ・カッチャは今年の1月に話題になったイタリアの画家だ。ギリシャ・アテネの国立美術館で、ピカソとモンドリアンの作品とともに、このグリエルモ・カッチャの「サンディエゴ・デ・アルカラ」のスケッチ画が盗まれたということで。



受胎告知  左 エル・グレコ 大原美術館、右 エル・グレコ プラド美術館


記事「エル・グレコとその工房 受胎告知」にどちらの作品もアップしているので、グレコに関心のある方はどうぞご覧あれ。


  
■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

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サント・ドミンゴ・エル・アンティグオ聖堂 エル・グレコの祭壇と墓碑 ソネットを捧げたパラビシーノ

| 受胎告知 | 22:33 | trackbacks(0)

Hospital de la Caridad, Illescas

エル・グレコ 受胎告知 1603-05
イリェスカス、カリダー施療院(カリダード施療院)

慈善団体病院の礼拝堂の祭壇画、ヴォールトの装飾のために描かれた中の「受胎告知」。

Decoration of the Chapel of the Hospital de la Caridad at Illescas (1603-05) by EL GRECO

聖母戴冠、受胎告知、キリスト降誕 1603-05
イリェスカス、カリダー施療院(カリダード施療院)



Coronation of the Virgin, woodcut by Albrecht Dürer, 1510, Honolulu Academy of Arts

左  アルブレヒト・デューラー 聖母戴冠(木版画) 1510 ホノルル美術アカデミー所蔵
右 エル・グレコ 聖母戴冠 サンタ・クルス美術館所蔵


ちなみに左の聖母戴冠は1591年のタラベラ・デ・ラ・ビエハの礼拝堂の祭壇画に似ている。その作品はアルブレヒト・デューラー 聖母戴冠(木版画)に基づいているようだ。

Hospital de la Caridad, Illescas

イリェスカス、カリダー施療院(カリダード施療院) 聖母戴冠


もっとも似ているのはこのイリェスカス、カリダー施療院(カリダード施療院)のもので、アテネ国立美術館所蔵の原画が他にある。

記事 サン・ホセ礼拝堂 エル・グレコ 4枚の祭壇画



聖イルデフォンソと慈愛の聖母 1603-05
イリェスカス、カリダー施療院(カリダード施療院)



 

La Anunciación 1596-1600. Museo de Bellas Artes, Bilbao, España

受胎告知 1596-1600
ベラス美術館所蔵(ビルバオ)

Museo Thyssen-Bornemisza, Madrid El Greco La Anunciación c. 1596-1600

受胎告知 1596-1600
ティッセン=ボルネミッサ美術館


Museo Nacional del Prado El Greco Annunciation

受胎告知 1596-1600
プラド美術館


ご存知のようにプラド美術館所蔵の「受胎告知」は、マドリッドのドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院の祭壇画の中央部二段目だった。

El Greco Reconstrucción hipotética del retablo de doña María de Aragón

エル・グレコの大祭壇衝立画復元


この「受胎告知」を含むドーニャ・マリア・デ・アラゴン学院の祭壇画の6枚はプラド美術館に所蔵されているが、もう一枚あったらしい。7枚目が不明らしい。

キリストの復活」、「キリストの磔刑」、そしてこの「受胎告知」に、「聖霊降臨」、「キリストの洗礼」(プラド美術館所蔵)、「羊飼いの礼拝」(ルーマニア国立美術館)の6点に中央部下の不明が1点。

大塚国際美術館でこのエル・グレコの大祭壇衝立画を復元をした。

追記 エル・グレコの十字架のキリストとピエタ
「キリストの磔刑」が、ジョット・ディ・ボンドーネとマティアス・グリューネヴァルトの作品に言及されている。




Museo Thyssen-Bornemisza, Madrid El Greco  La Anunciación

受胎告知 1576
ティッセン=ボルネミッサ美術館

La Anunciación 1608-14. Colección Santander Central Hispano, Madrid, España

受胎告知 1608-14 (サン・ファン・バウティスタ礼拝堂祭壇画の一部
サンタンデール・セントラル・イスパノ銀行

 

Museo Nacional del Prado  El Greco  La Anunciación

受胎告知 1570 プラド美術館所蔵
ティッセン=ボルネミッサ美術館の作品と酷似 その習作?





Tríptico de Módena 1567-1569.  Abierto. Galleria Estense. Módena

モーデナ・トリプティク(三幅対祭壇画) 左が受胎告知、シナイ岳、アダムとイヴ


三幅対祭壇画がなので全部で全部で6枚ある。「牧人の礼拝」、「キリスト教騎士の寓話」、「洗礼」がある。

不思議なのはシナイ岳、アダムとイヴで、シナイ山はモーセの十戒、アダムとイヴは旧約聖書の創世記だから、普通キリストの祭壇に一緒に描かないものじゃないの?


 

ElGreco, Annunciation c1600 BMFA

エル・グレコ 受胎告知 1590-1603
ブダペスト西洋美術館


El Greco, Annunciation  Ohara Museum

エル・グレコあるいは工房作品 受胎告知 1599-1603
大原美術館


La Anunciación  1600s. Toledo Museum of Art, Toledo,

受胎告知
トレド美術館


Museo de Santa Cruz. Toledo

受胎告知
サンタ・クルス美術館 


El Greco, Domenikos Theotokopoulos  Anunciação  Museu de Arte de São Paulo

受胎告知 1600年
サン・パウロ美術館




 
■12世紀の受胎告知
記事 12世紀の受胎告知

■14世紀の受胎告知
記事 14世紀の受胎告知 シモーネ・マルティーニたち

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記事 ジェームズ・クリステンセンの受胎告知

★2012.10.24 エル・グレコ作品記事リンク先
XAI エル・グレコ オルガス伯爵の埋葬

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| 受胎告知 | 23:56 | trackbacks(0)

 Maître du retable de Vyšší Brod, Retable de Vyšší Brod  Sainte-AgnèsCollections  (C)Musées de Prague ,la Galerie Nationale C’est l’un des musées incontournables de Pragu

ヴィッシー・ブロッドの画家(チェコの画家) 1350年 受胎告知
(C)プラハ国立美術館聖アネシュカ修道院(聖アグネス修道院) 


14世紀の受胎告知は、マリアは椅子に座っている。受胎告知のイコンは赤い天幕を織る糸巻きだが、実際には、イザヤ書を持たせる作品も多い。

12世紀には大天使ガブリエルに神の御遣いの印である忽を描いていたが百合の花を持つようになった。



Taddeo di Bartolo,  lAnnonciation


 タッデーオ・ディ・バルトーロ  大天使ガブリエル
受胎告知 プティ・パレ美術館(アヴィニョン)


Taddeo di Bartolo, La Vierge de lAnnonciation

タッデーオ・ディ・バルトーロ  聖マリア
受胎告知 プティ・パレ美術館(アヴィニョン)




タッデーオ・ディ・バルトーロ(1362-1422)は、「受胎告知」を他にも多く作品にしている。参事会教会にある「最後の審判」をご覧いただいた方なら、こんな優しげな「受胎告知」に驚くかもしれないね。

この人もシエナ派だったはずだけど、自信なし。

Orsini Polyptich Simone Martini Koninklijk Museum voor Schone Kunsten van Antwerpen,Staatliche Museen in Berlin, Louvre in Paris

もともとの多翼祭壇画の左右にある受胎告知 シモーネ・マルティーニ


シモーネ・マルティーニも活躍した時代。ナポレオーネ・オルシーニ枢機卿の依頼による多翼祭壇画だった断片の受胎告知がアントワープ王立美術館にある。中央の2枚の磔刑図はベルリン美術館とルーヴル美術館にある。

Angel of the Annunciation , The Virgin of the Annunciation 1333 Royal Museum of Fine Arts Antwerp, Belgium

多翼祭壇画の受胎告知 シモーネ・マルティーニ 1333 アントワープ王立美術館


マリアが聖書(祈祷書、イザヤ書)を手にしている。この作品も神の遣いの印の忽は白い百合で描かれている。シエナ派の作品は鳩と百合に聖書。

Simone Martini. Annunciation. 1333. Wood panel. Galleria degli Uffizi

受胎告知 シモーネ・マルティーニ 1333  ウフィツィ美術館


daprès une icône grecque l'ecole de Moscou

ロシア正教会 生神女福音大聖堂 (モスクワ)の受胎告知のイコンに由来する 1405


14世紀の受胎告知の代表的なイコンは、マリアの赤い天幕と糸巻き。背景は何もないと考えていいですかね。

生神女マリヤにイイスス・ハリストスが宿った事が天使から告げられた事を記憶するという大聖堂。ゆえにロシア正教会では「受胎告知」とは使わない。

LAnnonciation dAmbrogio Lorenzetti (1344)

シエナ派のアンブロージョ・ロレンツェッティ  受胎告知 1344


14世紀の受胎告知はシモーネ・マルティーニをはじめ、優雅なカンジ。15世紀はルネサンスの時代だ。

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