一定期間更新がないため広告を表示しています
ディーノ・バルス べラスケスが描く国王夫妻の肖像画
女官たち(ラス・メニーナス)がのぞいた国王夫妻
この作品を描いたのがディーノ・バルス?
でも女の顔や乳がポロリと描いているのは、ディーノ・バルスに違いない。王女と女官たち(ラス・メニーナス)がのぞいた国王夫妻は、「ラス・メニーナス」に描かれていないベラスケスのキャンバスが、実は国王夫妻を描いているという主題だ。
ベラスケスの「ラス・メニーナス」では脇役で、鏡、あるいは小さな肖像画にちょっと描かれているだけだった。
実は国王夫妻が王女と女官たちを見ているのではなく、国王夫妻を王女と女官たちがのぞいていたわけか。
それも面白い。
ディーノ・バルスの医学生時代の作品なんだろうか?
追記 ラファエル前派っぽい作品もあった。→記事 ディーノ・バルス 物語画
ベラスケスのマルガリータ王女がモナリザの絵を持っている。その地下鉄が停車しているプラットホームは、2003年の作品でルネサンス以前から登場する天使がなにやら物騒にも剣を振り回している。
衣装からしてマルガリータ王女だろう。そうするともう一枚それらしき作品がある。
衣装からして「青いドレスの王女マルガリータ」(1659)を思い出す。まー、8歳のマルガリータなんだけどね。こちらは38歳くらい見える。それとも母親のほうだろうか?
マイク・ウォーラルについてはMAKIさんが記事にしている。
記事 マイク・ウォーラル シンデレラ
そのほかの記事 XAI マイク・ウォーラル より
saiの記事 マイク・ウォーラル
楓の記事 マイク・ウォーラル ファンタジックな作品
兎穴さんの記事 マイク・ウォーラルとポール・デルヴォー
ピカソ 女官 イサベル・デ・ヴェラスコ
「ラス・メニーナス」の女官 イサベル・デ・ヴェラスコをピカソが描いた。王位継承を示唆する赤い水差し(カップ)を手渡すマリア・アグスティナ・サルミエントと反対側に位置する女官。王妃マリアナがフェリペ4世と結婚した1949年に女官となった。
ベラスケスの「ラス・メニーナス」(女官たち)は、この二人の侍女に由来する。
完成から3年後、イサベルは亡くなった。左に位置する女官マリア・アグスティナ・ サルミエントは完成後から9年後に結婚をするが、2度とも夫と死別している。
ピカソ 女官 イサベル・デ・ヴェラスコ Succession Picasso 2008
ピカソ 女官 イサベル・デ・ヴェラスコ Succession Picasso 2008
ベラスケスが描いた女官イサベル・デ・ヴェラスコの右後ろには、喪服の養育係マリア・ウリョアと唯一名が知られていなかった不明とある貴婦人護衛官がいる。最近ドン・ディエゴ・ルイス・アスコナ(Don Diego Ruíz Azcona )と名があがってるが・・・。
(1) Margarita Teresa of Spain, Infanta Margarita (Spanish: Infanta Margarita Teresa de España)
(2) doña Isabel de Velasco
(3) doña María Agustina Sarmiento de Sotomayor
(4) the dwarf German, Maribarbola (Maria Barbola)
(5) the dwarf Italian, Nicolas Pertusato
(6) doña Marcela de Ulloa
(7) unidentified bodyguard (guardadamas)→Don Diego Ruíz Azcona?
(8) Don José Nieto Velázquez
(9) Velázquez
(10) King Philip IV reflected in mirror
(11) Mariana, queen of King Philip, reflected in mirror
登場人物については過去記事の引用からどうぞ。
過去記事 過去記事「スペイン敬称戦争 フェリペ5世への箴言」
そしてベラスケスの縁者ではないかとされている王室タペストリー工場長で王妃の侍従のドン・ホセ・ニエト・ベラスケス。ダリが1982年に彼を作品化している。
過去記事 サルバドール・ダリ ラス・メニーナス
ベラスケスの娘婿フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソは、「喪服のスペイン王妃マリアナ」で、フェリペ4世亡きあとのその後の継承図を描いている。女官の渡す「赤い水差し」はカルロス2世へ。
sai 記事 Baroque 歪んだ真珠 青い血のスペイン・ハプスブルグ家
ピカソ ラス・メニーナス ベラスケスのいない全図 1957
ベラスケス ラス・メニーナス部分
ドイツ人の小人マリア・バルボラ、通称マリバルボラが描かれていない。そのかわりに犬を蹴るニコラ・ ペルトサート。
ピカソ ラス・メニーナスのニコラ・ ペルトサート
ベラスケス ラス・メニーナスのニコラ・ ペルトサート
ピアノを弾くような手つきのニコラ。このニコラ・ペルトサートは、sai 記事 Baroque 歪んだ真珠 青い血のスペイン・ハプスブルグ家のベラスケスの娘婿フアン・バウティスタ・マルティネス・デル・マーソは、「喪服のスペイン王妃マリアナ」にも描かれているようだ。
ピカソのこの作品、ピアノを弾くニコラ・ ペルトサートは、ピアノのペダルではなく、マスティフ犬を踏むように描いている。ベラスケスのニコラの両手がピアノを弾くような仕草をイメージしたらしい。
マリバルボラことマリア・バルボラ一人のピカソが描いた肖像画はみたことはない。集団肖像画だけ。
ピカソ ラス・メニーナスのイサベル、マリバルボラ、ニコラス 1957
ピカソ ラス・メニーナスのイサベル、マリバルボラ、ニコラス 1957
Succession Picasso 2008
ここはベラスケスがアトリエにしていた「皇太子の間」で、国王一家と親しくしている宮廷人たちを自画像とともに描いているわけだが、「矮人」という階級に属さない慰みものの彼らが、ここでは自由に振舞っている姿も描いているのではないかと思う。
だってねぇ、国王一家の犬を蹴飛ばすことなんか普通はできないこと。ということは、彼らはただの「慰み者」じゃない。
イサベルが亡くなり、ベラスケスが亡くなり、フェリペ4世が亡くなった。マルガリータ王女、マリア・アグスティナ・サルミエントが同じ年に結婚をし、すでに5人がいなくなった。
1710年、ニコラスが死んだ。1650年、15歳で宮殿に入る。このとき24歳で、身体はともかく顔が少年のようである。たしか結婚もした。
ニコラスは宮廷から引退したあと結構出世して、執事にもなり、ドン・ニコラスと呼ばれた。
エリアセル・カンシーノの「ベラスケスの十字の謎」(1997)では、ニコラスが主人公。同じく物語にも登場するマリバルボラことマリア・バルボラは、1700年代にドイツに帰国したのではなかったかな?
ピカソのラス・メニーナスの過去記事はこちら
記事 パブロ・ピカソ ラス・メニーナス
フェリペ4世ファミリーについてはこちら
記事 Baroque 歪んだ真珠 青い血のスペイン・ハプスブルグ家
ピカソの巨匠に基づいた作品はこちら
記事 ピカソ ダヴィッドに基づくサビニの凌辱
ベラスケス ラス・メニーナス 女官マリア・アグスティナ・ サルミエント・デ・ ソトマヨール
マリア・アグスティナ・ サルミエント・デ・ ソトマヨールは、1665年に結婚。3年で未亡人となるが、マルガリータ王女の右に位置するイサベルは、完成から3年後に亡くなっている。
王女の侍女ということは、もともと良い身分の出身である。
マリア・アグスティナ・ サルミエントが「ラス・メニーナス」に描かれた頃は、10歳を超えたばかりの頃ではないだろうか?少女の面影が消えていないと思うが。
ベラスケス ラス・メニーナス 女官マリア・アグスティナ・ サルミエント・デ・ ソトマヨール
ピカソ ラス・メニーナス 女官マリア・アグスティナ・ サルミエント・デ・ ソトマヨール
女官マリア・アグスティナ・ サルミエント by ピカソ
Succession Picasso 2008
ピカソは女官マリア・アグスティナ・ サルミエントの肖像画のほか、イサベル・デ・ヴェラスコ、矮人たちも多く作品に残している。
ピカソのラス・メニーナスの過去記事はこちら
記事 パブロ・ピカソ ラス・メニーナス
フェリペ4世ファミリーについてはこちら
記事 Baroque 歪んだ真珠 青い血のスペイン・ハプスブルグ家
ピカソの巨匠に基づいた作品はこちら
記事 ピカソ ダヴィッドに基づくサビニの凌辱
ハーマン・ブラウン・ヴェガ ラス・メニーナス (C)Galerie du Fleuv
ベラスケスのフアン・デ・パレーハの肖像画とピカソのラス・メニーナス
「I, Juan de Pareja」 Sunburst Book
エリザベス・ボートン・デ・トレヴィノ著
ハーマン・ブラウン・ヴェガの「ラス・メニーナス」の画家は、1650年、ディエゴ・ベラスケスが描いた「フアン・デ・パレーハの肖像画」(メトロポリタン美術館)からだ。
下は児童文学書。これはエリザベス・ボートン・デ・トレヴィノの著作の表紙に描かれたベラスケスとフアン・デ・パレーハとラス・メニーナス。
←本のご紹介 Square Fish: Reissue版
ベラスケスの肖像画は彼の弟子で、写真のような肖像画に、どちらに声をかけたらよいのかという逸話さえ残っている。
1966年にスペイン画家とともに生きて行く黒人奴隷の話で、ニューベリー賞を受賞した児童文学「I, Juan de Pareja」は、この二人(ベラスケスとフアン・デ・パレーハ)の物語だ。ハーマン・ブラウン・ヴェガは、この物語を読んだのだろうか。
エリザベス・ボートン・デ・トレヴィノのこの本は、「赤い十字章 画家ベラスケスとその弟子パレハ」で、さ・え・ら書房から定松正氏の著作本がある。ちょっとどちらも読んでみて。
さて、もう一枚のハーマン・ブラウン・ヴェガの「ラス・メニーナス」がある。
ハーマン・ブラウン・ヴェガ ラス・メニーナス(ピカソとヴェラスケス) 1987
(C)Galerie du Fleuv
ハーマン・ブラウン・ヴェガの「ラス・メニーナス」はピカソとヴェラスケスを合体。なんか、ちょっとやばそうな部分もあるけど、一応アートだから。
過去記事 パブロ・ピカソのラス・メニーナス
今回の画像は引用をしているので、お断りしておきます。作品画像に引用元と僕のサイト名を署名しています。
引用元 Galerie du Fleuv
フランスのロック、フォークのグループ、「Hold Your Horses!」が、ミュージック・ビデオでレオナルド・ダ・ヴィンチ、フェルメールなどの名画の人物たちに扮し、「70 Million」を歌っている。
25作品の名画が登場。
Las Meninas 2010 70 Million by Hold Your Horses
ディエゴ・ベラスケスの「ラス・メニーナス」もこのMVに登場。最初はレオナルドの「最後の晩餐」、ボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」、最後はゴッホの「ひまわり」で終了。
ゴッホの自画像、ムンクの「叫び」もあり。すっごく面白い。下記の記事から全作品が紹介されている。動画にもリンク。
記事 「ミュージック・ビデオ 70 Million by Hold Your Horses! 音楽と名画の興宴」
70 million should be in the know
70 million don’t go out at all
70 million wouldn’t walk these streets
70 million would grind to a halt
70 million would be wrong wrong wrong
70 million never see at all
70 million haven’t tasted snow
(C)70 Million album and band namefrom Sorry! Household by Hold Your Horses!
この歌詞の前の部分は
記事 音楽と名画のPV 70 Million by Hold Your Horses!
この歌詞の後の部分は
記事 70 Million by Hold Your Horse!Impressionists (BBC)
“Bienvenido donde la moda es arte”
Las Meninas 2009 El Corte Ingles
スペイン デパート エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)の広告 フォトグラフ編
スペイン デパート エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)の広告 絵画編
スペイン デパート エル・コルテ・イングレス(El Corte Ingles)の広告 ショッピング・バック編
ほかの画家のラス・メニーナスは、カテゴリー「Las Meninas ラス・メニーナス」から、ご覧あれ。
1922年生まれのリチャード・ハミルトン。ポップアートな英国の画家で版画家。アメリカのアンディ・ウォーホルと同じ時代の人。
ベラスケスのラス・メニーナスは古くはゴヤのラス・メニーナスがあるが、娘婿マーソがラス・メニーナスを意識した作品までもある。
パブロ・ピカソはベラスケスの「ラス・メニーナス」を1957年に作成している。
記事「パブロ・ピカソのラス・メニーナス」
そのパブロ・ピカソへのオマージュとしてリチャード・ハミルトン(Richard Hamilton)が作品にした。
プラド美術館で今年(2010年)の3月23日からはじまった「リチャード・ハミルトンのラス・メニーナス」は5月30日まで続く。
過去記事「スペイン敬称戦争 フェリペ5世への箴言」
今回は、この作品に描かれているルーベンスを紹介しようと思う。
右側がよくわからないが、これではないかというHPを発見。みたところそう言われればそんなふうに見えると思っていたが、2枚の寓意が同じであるために、これじゃないかと僕も思ったわけ。
変身物語の「アポローンとマルシュアス(マルシアス)」の場面だ。自分の技におごってアポロン神に音楽の技くらべを挑み、アポロン神に負けてしまう。まるでアポロンに扮したルイ14世の肖像画のとおりにフランスに主導権を握られるスペイン。
左の作品と同じで、アラクネー(アラクネ)もおなじ腕比べで負けてしまう。優れた織り手と女神パラス(アテーナー、パラス・アテナ)の勝負で、おごったアラケネーが負ける。
パラス(アテーナー)とアラクネ 1636-37
ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens)
ベラスケスのLas Meninas(ラス・メニーナス 1656-57年)に描かれているというルーベンスの作品。
The Fable of Arachne
ディエゴ・ベラスケス(Diego Velazquez)
これが皆さん御存知のベラスケス(1599-1660)の描いた「アラクネの寓話(織女たち)」だ。この絵の解釈は別にして、僕はルーベンスに倣って描いたものだと思っていた。
それがティツィアーノ(1490-1576)の「エウローパの略奪」(1559-62)へのオマージュだったんだってね。
まずこのアラクネとやらが神話のなかで競って織ったものまたは最初に織ったものが、ゼウスのエウローパの略奪だったらしい。
The Rape of Europa, 1559–62
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(Tiziano Vecellio)
かつてルーベンス(1577-1640)がスペインに滞在したときに模写した1枚だ。
1540年代にはカール5世、そして世界最大の権力者となったスペイン国王フェリペ2世と寵愛された画家ティツィアーノ。そのフェリペ2世の孫にあたるフェリペ4世に仕えたベラスケスが、ティツィアーノを神に匹敵する画家として描いたのかもしれない。
追記
記事 Baroque 歪んだ真珠 青い血のスペイン・ハプスブルグ家
この記事からはフェリペ四世とベラスケス、その娘婿などの作品からフェリペ四世一家が記事になっている。