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世界の名著(中央公論者)から



Denis Diderot


富裕な刃物作りの父親ディディエと富裕ななめし革屋のアンンジュリクが母として生まれたのが、ディドロ。職人といえどもどれだけ由緒正しいかというと、15世紀からの古い家系で土地の記録に名を残しているほどだ。

初等教育を終え、イエズス会のコレージュに入学。文法学、古典学、修辞学、哲学などが学べる中・高等教育だ。

ディドロは13歳で僧職につく決心をしたという。だが、数年ほどで神秘主義的発作はおさまったらしい。

まもなくパリコレージュの上級(修辞学)に入学し、代数学や幾何学、物理学を学んだという。

ディドロはパリ大学に論文を提出し、教授資格を得る。一時、ディドロは法律事務所に身をおくが、これが漱石の高等遊民のごとく、古典を読み耽るばかりだったらしい。

とうとう雇い主と父親に咎められる。

「実をいえば何もしたくないのです。勉強をしたい。」と伝えたが、さぁ、家にもどってこいと父。よくあるパターンで、息子はもどらない。

こうしてディドロに浮浪生活がはじまった。

つまり放蕩蒸息子というわけだ。ただ乞食をしたわけではなく、数学の家庭教師、宣教師の原稿がきのほか、うまく善良な人々から金を巻き上げたりしながら、文筆家、音楽家、画家、若い女たちと謳歌していた。

まぁ、金を巻き上げるとはなかなか、弁舌に長けている証拠。

1743年までの10年ほどだ。

ルイ14世の芸術の愉楽でも取り上げたカフェ プロコップでは文学論の機知の応酬を聞き、ラ・レジャンヌでは、チェスの手合わせで、「先の先まで相手の手を読みぬくレガル」の手合わせをみる。そしてフランス座では演劇に夢中になる。

Voltaire and Diderot at the Café Procope in Paris
パリのカフェプロコップのヴォルテールとディドロ
左からコンドルセ侯爵、ラ・ハープ、ヴォルテールにディドロで、手をあげてる人忘れた。こっちの説は間違い?

思い出した。世界の名著にもあったのでこちらを採用する。
手をあげている人ヴォルテール、その左がディドロ、手前左椅子がダランベールで、ラ・ハープ、そして右がコンドルセ侯爵だ。

ディドロは妻アントワネットをトントンと呼んでいたが、この生活の維持のために翻訳を手がけ、出版業者や知識人に名を知られるようになる。そして哲学者として1746年に「哲学断層」を出版する。

これは神の存在の不合理性と無神論者の立場の不合理性を主張し、禁欲主義を批判している。ただちに焚書の対象となった。

この頃、王室公認の出版業者ル・ブルトンにイギリスのイーフレイム・チェンバーズの「百科辞典」をフランスで翻訳させようとミルズ(英)とゼリウス(独)がもちかけた。

さて、特許を取り上げられたりその特許取り上げが無効になったりするが、結局フランス科学アカデミーのグワ・ド・マルヴェースに相談し、これがさらに構想が広がる。つまりフランスの英知を結集した百科全書の青写真が浮かんだんだ、ル・ブルトンだけに。

マルヴェースは編集助手・執筆者を参加を要請し、無名にちかいディドロも含まれた。

こうした執筆者にル・ブルトンは知名度のない奴らに不満をもったわけ。マルヴェースは彼との口論に疲れ、辞任する。

こうして、ル・ブルトンに編集長として任命されたのが、ディドロ。まだ有名ってほどじゃないじゃん、ル・ブルトンよ。

さて、 ここで二つの説がでてくるんだな。

.泪襯凜А璽垢鮨頼できないと、ル・ブルトンは契約を破棄し、翻訳の修正に雇ったディドロとダランベールの二人に編集長を依頼した。

∪茲暴颪い燭茲Δぅ泪襯凜А璽垢魯襦Ε屮襯肇鵑箸慮論に疲れ辞任。編集長に任命されたディドロは友人の有名な数学者ダランベールに協力を頼んだ。

百科全書(L'Encyclopédie, ou Dictionnaire raisonné des sciences, des arts et des métiers, par une société de gens de lettres)の表紙。

いつから二人は友人だったんだ?

ランベール
憶力(歴史)はこちら 百科全書 人間知識の系統図 記憶力
性(哲学)はこちら   百科全書序論 理性について by ダランベール
                百科全書序論 から 人間知識の系統図 理性編
像力(詩)はこちら    百科全書序論 から 人間知識の系統図 想像力編

さてディドロはそのかたわら匿名でつぎつぎ発表する。「盲人書簡」は1749年だ。

当然人間は敵がかならずいるもので、ディドロを危険人物として密告した司祭がいた。

「国王」ルイの署名の逮捕状が用意された。この国王の署名の逮捕状は、裁判なしに投獄できるわけ。

ディドロは虚偽の言い訳をする。盲人書簡なんか執筆しちゃいないとね。

アレアレ?

哲学でいう「真理」とはどこへやら。でもいきなり死刑になってもヤバイしね。

さて投獄されたディドロ。投獄生活にすっかり参って、容疑を認めた。執筆での宣誓書をかき、軟禁生活に入る。このときにプラトンの「ソクラテスの弁明」を翻訳した。

この3ヶ月の投獄生活でディドロは、身の危険をまねきかねないものは生涯発表しない決心を固めたらしい。

1749年のことだった。

さて、ここでも二説ある。
)佑先に書いたようにディドロの容疑を認めたこと。
▲襦Ε屮襯肇鵑機転をきかせて釈放にいたった。


 L'Encyclopédie Agriculture  百科全書 農業の図版
フランスの農業と当時の農民の様子がわかる記事はこちら、「マリー・アントワネット フランス紀行から」よりどうぞ。かなり長いぞ。

どちらにしても、また百科全書に戻るわけだ。

ディドロは翻訳原稿の回収、不備な原稿の修正、資料・参考書・図書の収集にあけくれる。

1750年には、共同編修のダランベールによって、モンテスキュー、ヴォルテールなどの著名な文筆家の協力も得られ、この頃無名だったルソーに音楽の諸項目を依頼する。
 
この年にはジョクールが「1日13時間から14時間」を投入して、片腕となったらしい。

1751年、ダランベールの「序論」を巻頭に「百科全書第1巻」が出版された。そして52年には第2巻だ。

だがイエスズ会らは「王権を破壊し、自立と反抗の精神をうえつけ、晦渋で曖昧な言葉を用いて、誤諺と退廃と無宗教と不信仰の基礎をすえる」と2巻の発行を国王の名で禁止する。

国王の公妾ポンパドゥール夫人、政府当局のマルゼルブの好意で形勢は好転する。

だがまた弾圧がやってくる。

第7巻発行後のことだ。国王の顧問会議で出版特許取り消しと出版禁止となるわけだ。

ここでダランベールは編修から手をひき、数学の項目だけに専心することになうr。ディドロ一人が編修責任を負うことになった。1759年のことだ。

ところが図版集は・・・。なぜか出版特許が与えられている。

L'Encyclopédie IMPRIMERIE  百科全書 印刷の図版
 このページの右側の図案になっているものを印刷すると左のとおりって感じで。

ディドロたちはこの時期、本文すべての原稿を印刷にまわしている。ところがル・ブルトンがキリスト教の批判を巧妙にしのびこませたページをぬいた。1764年に発見。

ディドロはル・ブルトンに手紙を書く。
「あなたは私の心臓に短刀をつきたてました。」と。

だが図版の出版も1772年に完結し、最終第11巻となった。

本文17巻、図版11巻。そして歳月26年。ディドロ59歳だった。

ドゥニ・ディドロの記事
記事 「ブーガンヴィル航海記補遺 その3
記事 「 ブーガンヴィル航海記補遺 by ディドロ
記事 「第3章 司祭とオルーの会話/第4章 司祭とオルーの会話の続き

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