カラヴァッジオの唯一の壁画である「ジュピター、ネプチューン、プルート(ユピテル・ネプトゥルヌス・プルート)」は、カシーノ・デ・ヴィラ・ボンコンパーニ・ルドヴィージにある。ボルゲーゼ美術館には数点のカラヴァジョの作品を鑑賞できる。シオピーネ・ボルゲーゼが巻き上げたからだ。さて、「ユピテル・ネプトゥルヌス・プルート」(1597-1600)は、デル・モンテ卿のアルケミー・ルーム(錬金術部屋?)の天井にあった。実際に見たことがないので、どのような位地でみえるのかがわからない。
よく、ネットで紹介されているようにみると、こんなカンジ。天を支配するユピテルが、急降下するように描いたのだろうか。
この作品をみると、結構楽しいぞ。
丸い水晶球を天球と見なせば、黄道帯に鯨に見えるような「うお座」など、星座の黄道十二宮が描かれている。パールの輝きというか、この白い透けがすごい。
前面には、4つの星座が描かれている。球体を3分割に見ている状態なのだとすると、地球を一周する360度の円を、30度づつの弧を持って、均等の距離に描いているのではないだろうか。地球を中心に、明るくぼんやりと描かれている円は、太陽ということになるよな。

ユピテルは木星(ジュピター)で、いて座とうお座を支配する。ネプトゥルヌスは、海王星(ネプチューン)で、うお座。プルートは、冥王星(ハデス)で、さそり座を支配するらしい。そして、彼らの父親。生まれた子供を次々に飲み込むサトゥルヌス(クロノス)は、時を司る土星(サターン)である。サヌトウルスの祭りは12月末に7日間行われ最終日が12月25日(冬至)だ。そうすると、少し位地が悪いが、ユピテルの手のあたりに白い小さい円が、冬至点なのだろうか。
この障壁画がある、カシーノ・デ・ヴィラ・ボンコンパーニ・ルドヴィージは、デル・モンテ卿の別荘だったところで、デル・モンテ卿の関心のある錬金術をイメージするものや、古典神話を反映して、カラヴァッジョは、パトロンを満足させたわけだ。 ここには、ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)の著作本か図面があるらしい。その後、ここは、ルドヴィコ・カーディナル・ルドヴィージ卿に渡る。そしてホテルなどに切り売りされ、現在に至る。(参考サイト: Casino di Villa Lodovisi presso Porta Pinciana)
僕はミケランジェロ・メリーシ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610)のファンでもないし、彼を特別知りたいとも思わない。ただ、この作品だけに、魅力を感じるわけだ。特有のグロテスクさもなく、迫力と動きが伝わり、解説がなくとも想像ができるからだ。だが、この人自身には、魅力を感じない。
関連記事
カラヴァッジョ (Caravaggio) 「エジプトへの逃避途上の休息」1594-1596
カラヴァッジオ(カラヴァッジョ) 「聖ペテロと聖アンデレの召命」1603-1606
(2006-12-14 イプスウィッチ の ジャック・ザ・リッパーの2つめの記事)

Escher (Icons S.)


