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ギリシャ神話の神の中で、背中に羽をつけた姿で描かれるのは、死を司る神タナトス(Tanatos)だ。ウォルター・クレインの「運命の巻物」を持つのはタナトスではないか?
その手にすがりつくような天使って、誰ですか?
受胎告知はガブリエルだったりミカエルだったりするが、ガブリエルは若者の生を司るとも言われているから、ガブリエルにしておこう。
この二人、ウォルター・クレインはちょっと容姿をかえて、他の作品にも登場させている。
「生命の橋」の下では死者にはタナトスが、生を受けた赤ん坊を手渡す天使(ガブリエル?)の二人は、「運命の巻物」と同じように生死を決定している。
まだまだ人生楽しみたい!今年もそして新年も神のご加護がありますように。
ウォルター・クレイン記事
「古代英国庭園の幻想的な花々」(1899)
「ウォルター・クレイン 眠れる森の美女 いばら姫(眠り姫)」
「ウォルター・クレイン シェイクスピアの花園」(1906)
「夏の女王、あるいは百合と薔薇の騎馬試合 1891」
「ウォルター・クレイン 壁画 ロングフェローの詩 ヴァイキングの花嫁」
どうぞ、よいお年をお迎えください。
グロスター市庁舎の壁画。チャールズ・アレン・ウィンターの壁画はフランクリン ・ ルーズベルト大統領のニューディール政策で、WPA(公共事業促進局)を設立(1935)したが、そのWPA 壁画コレクションのひとつらしい。
グロスター市庁舎の壁画 1階ロビー 1937
チャールズ・アレン・ウィンター
チャールズ・アレン・ウィンターは1933年にグロスターに行き、この壁画の制作を手がけたのは、世界恐慌を回復するためのニューディール政策が行われ、1934年には回復するにも賛否両論があったが、その翌年の1935年の二次政策での失業者の雇用と公共事業拡大に付随する芸術家支援の「フェデラル・ワン」。
左「公徳」には画家らしき人物にシスターのような女性と子供たち。右「市役所」には消防士と警察官、そして「聖家族」のような三人に、グロスター市民の親子っぽい二人が描かれている。
いろんな時代に登場するような神話っぽいスタイルの人物など、歴史画と寓意画と集団肖像画をいっしょに描いていて面白いけど。
チャールズ・アレン・ウィンターって検索してみたら、なんだかミュシャ(ムハ)の描いたような民族的なスタイルとリュシアン・レヴィ=デュルメルっぽい作品が合体したようなアクの強い感じが多く、なんか興味がなくなった。そんな作品のうち、ファンタジックな女性が描かれた「運命」という作品があるけれど・・・。
この市庁舎にもいろんな画家の壁画があるが、グロスターの郵便局もすごかった。ニューディール・アート・プロジェクト!
芸術家支援計画のひとつに連邦美術計画(フェデラル・アート・プロジェクト)があり、仕事のない美術家を政府が雇った。
マリー・ヒーブナーのイラスト集「ハムレット」
「多分、今はお前を愛しているかもしれない」
前記事で、アンドレ・マッソンの「オフィーリア」をアップしたときに、あんまり僕はシェイクスピアは興味ないんだよねって書いたが、本当にそう。
今回は、限定版?のマリー・ヒーブナーのイラスト集「ハムレット」を、saiが譲ってもらったらしく、僕にもわざわざ見せにきた。それで、僕にはまだピンときていないので、saiがアップした作品につながるように、そのフォリオのひとつ手前の作品を紹介。
第一幕第三場
兄のレアティーズがオフィーリアにハムレットとの関係をほどほどにしなさいと言っているところだ。
Perhaps he loves you now,
And now no soil nor cautel doth besmirch
The virtue of his will: but you must fear,
His greatness weigh'd, his will is not his own;
For he himself is subject to his birth:
He may not, as unvalued persons do,
Carve for himself; for on his choice depends
The safety and health of this whole state;
And therefore must his choice be circumscribed
Unto the voice and yielding of that body
Whereof he is the head. Then if he says he loves you,
多分、今はお前を愛しているかもしれない。そしてそのお気持ちには一点の穢れもなく、不実な思いもないだろう。しかしお前は恐れなければならない。ご身分を考えてごらん。ご自身はご自分だけのものではないのだ。 生まれに縛られていて下々にように、自由にはできないのだ。なぜならこの国全体の安全と繁栄がかかっているからだ。それゆえあの方の選択には自ずから制限があって国中の承認と同意が必要だ。それは主君だからこそだ。もしあの方がお前を愛していると言われても、ほどほどに理解するのが賢明だ。